ネタバレあり。
ヤクザのお嬢さんのボディーガードになった女性主人公の物語。
以前に大谷晶の小説やエッセイを読んだとき、「またレズビアンをテーマにした話かな?」と思ったのですが、今回も当たらずとも遠からず。
「何者でもない人が、何者でもないまま生きていく」――これがこの作家の一貫したテーマなのね。
一方、男性(西、宇多川、樹内)は、だいたいどこかしらアタオカ変態野郎として描かれている。
若頭補佐の柳だけは、唯一いい人にして中和しているが、日本男児はオールクズ(苦笑)男の道理はクソくらえ!ってわけだ。
ラストはフェミニン&リベラルな趣向の著者の主張が全面に出ていて、さっぱりとした読後感は得られない。最後の20ページぐらいを省いていいのではとすら思った。
⋯文章はとても読みやすく、小説があまり得意でない自分でも、3時間ほどで一気に読めました。ストーリーもシンプルで、そのまま映像化できそうな構成ではある。
いわゆる叙述トリック的な要素もありましたが、正直なところ、そこまでそれが必要だったのか?も少し疑問に感じた。
国際的に評価された作品(ダガー賞)とのことで期待をしていましたが、その点ではやや肩透かし。
「2回読んでしまった」という感想を見かけましたが、自分としては1回で十分かな、という印象。
総合的には、可もなく不可もなくって感じ。
この作家の他の作品が好きな人なら、読んでみてもいいかもしれません。


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