創作|黒雪姫

徒然草2.0

むかしむかし、とある王国に「黒雪姫」と呼ばれる美しい女がいた。

彼女は王の愛人のひとりだったが、その美貌と巧みな言葉で王を虜にし、やがて王妃の座を狙うようになった。

正妃である女王は黒雪姫の野心に気づき、彼女を危険な存在と考えるようになる。

ある日、王が狩猟に出ると、女王は密かにお付きの狩人へ命じた。

「狩りの途中で、王の横にいるあの娘を殺しなさい」

黒雪姫はその企みに気づき、森へ逃げ込んだ。

しかし、狩人は彼女を見つけたものの、その美貌に心を奪われてしまう。魔性の女である黒雪姫は狩人をたぶらかし、そのまま森の奥へ逃げてしまう。

そこで黒雪姫が森で出会ったのは、鉱山で働く七人の男たちだった。黒雪姫は彼らの家に住みつき、その美貌と甘い言葉で、七人を次々と虜にしていった。(7人の男は黒雪姫をとりあい殺し合ったとも言われている)やがて黒雪姫が生きていることを知った女王は、自ら老婆に姿を変え、毒リンゴを持って森へ向かった。

老婆が差し出されたリンゴを黒雪姫がかじると、その場に倒れてしまった。七人の男たちは悲しみ、黒雪姫をガラスの棺に入れた。

そこへ隣国の王子が現れる。

王子は黒雪姫の美貌に心を奪われ、彼女を救おうとした。すると、毒リンゴのかけらが取れ、黒雪姫は目を覚ました。

王子は黒雪姫と結ばれ、彼女を自国へ連れて帰った。

しかし、それこそが黒雪姫の狙いだった。

黒雪姫は王子をたぶらかし、その軍を使って故国へ攻め込ませた。王国は滅び、女王も処刑された。

こうして黒雪姫は、王妃の座どころか、二つの国を手に入れた。

しかし後世の人々は、この恐ろしい女の物語を語り継ぐことを恐れた。

いつしか「黒雪姫」は「白雪姫」と呼ばれるようになり、王を惑わせた愛人は、無垢な王女にされた。そして、黒雪姫を殺そうとした正統な女王が、嫉妬深い「悪い継母」へと上書きされた。

王家を守ろうとした女王は歴史から抹消されて今日に至る。

徒然草2.0
スポンサーリンク
シェアする
gomiryoをフォローする
ごみぶろぐ

コメント

タイトルとURLをコピーしました