戯言|なごやんVSなごにゃん

徒然草2.0

最近、コンビニやスーパーで「なごにゃん」という、猫の肉球をモチーフにしたお菓子をよく見かける。サイズ感も見た目も、まさに猫の肉球そのものだ。

パッケージにはこう書かれている。

国産小麦のカステラ生地で、名古屋銘菓『なごやん』の黄味あんと、ホワイトチョコクリームを包みました。

⋯ちょっと、情報量が多すぎておつむが弱い私には、何を言っているのかわからない。

カステラなのか、あんこなのか、チョコなのか、クリームなのか。説明を読むほどに、食べる側としては「これは何だと思って食べればいいのか」が分からない。成分表にはマーガリンやはちみつシロップも並び、パンなのか饅頭なのか、あるいはそのどちらでもないのかという曖昧さがある。ようは「なごにゃん」は、複雑系というか不思議ちゃんなのだ、と思うより他にない。

実際に食べてみると、味もやはり複雑だ。いろいろな要素が重なっていて、正直「少し詰め込みすぎでは」と感じなくもない。ただ、その分コンパクトながら味は濃く、満足感がある。携帯できる軽食としては悪くない仕上がりだ。

ていうかなごやんってなんなん?「なごにゃん」には元になった存在があるってことよね。名古屋銘菓とされる「なごやん」。これを差し置いて「なごにゃん」を評価してもいいのか、少し気にならざるをえない。

なごやんとなごにゃんを製造しているのは Pasco(敷島製パン)。名古屋の大手メーカーが自ら「銘菓」と名乗ることに、どこまで説得力があるのか?という疑問も浮かぶ。実際、名古屋のほうの出身の人に聞くと「(なごやんを)知ってはいるけど、銘菓かと言われると微妙」という反応だった。

一方で、「なごにゃん」は関東でもかなり見かける。逆に「なごやん」はあまり見かけないが、今回はたまたまスーパーで見つけることができたので、食べ比べてみることにした。

まず「なごやん」は、想像よりも大きい。一口で食べられなくもないが、そういう食べ方をするものでもないずっしりとしたサイズ感だ。かじると中の黄身あんがほろりと崩れ、見た目の金色のパッケージとは対照的に、どこか素朴で庶民的なお茶菓子という印象を受ける。味は安心感があり、日常に馴染むタイプだが、強い個性があるわけではない。確かにこれだけだと珍しくないまんじゅうなので、東京で広く展開するのは難しい。

その点、「なごにゃん」は複雑系で見た目も重視して方向性がはっきりしている。とりあえず食べてみるしかない存在感。サイズは小さくなり、その代わりにチョコレートでコクを加え、見た目の可愛さで印象を強めている。いわば現代向けに再構成されたバージョンで、別のお菓子として成立していると感じた。

最近のお菓子は、脂肪分や甘さを強めて“濃厚さ”で訴求する傾向があるようにも見える。それを少し冷めた目で見てしまう部分もあるが、長年続く商品がこうした形で再解釈され、新しい層に受け入れられていくのは、必ずしも否定すべきことではないのかもしれない。

少なくとも、「なごやん」と「なごにゃん」は親子のようでいて、実際にはしっかり別物だった。

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