戯言。よつばと!ってディストピア漫画だよね?

徒然草2.0

漫画「よつばと!」にふれる前に同じ作者である、あずまきよひこ「あずまんが大王」について先にふれておくと、あまり内容を憶えていないのですが「あずまんが大王」に出てきた英語教師「谷崎ゆかり」のイメージが自分の中で強すぎるのかもしれません。人生もゲームと同じように「リセットできたらいいのにな」とボヤいていたシーンが妙に頭にこびりついています。。。

そのせいでしょうか?

「あずまきよひこっていう漫画家は、だいぶ暗い作品を作るんだな」という印象をなぜか持ってしまっています。ディストピア作品つくるの上手い人だな。すごい。リスペクトです。ディスリスペクトではありません。

…で、「よつばと!」を全巻買って読んでいるところなのですが。

もちろん(?)私のリクエストではありません。ウチの人のリクエストです。子どもも声を出して笑って読んでいる。楽しんでいるようで、何よりなのですが…。

以前から思っていたけど、あずまんが大王を超えるディストピア作品じゃね???

もっとWebでそういう感想あるかと思ったが、見当たらない。

そう思っているのは、どうやら私だけらしい(汗)マジで?

まず「よつばとと、とーちゃんの間には血の繋がりはなく、外国のどっかで拾ってきたよつばを自宅に連れ帰ってきて育てている」という設定。え?

これって第三者から見たら、幼女誘拐以外の何ものでもないのですが。

そんなことあんの?ないでしょ。

よつばは(義務じゃないとはいえ)幼稚園へも行っていないし、かなり迷惑なトラブルメーカーなやつです。実際にこんな子いたらいい子の部分を差し引いても将来が心配です。野生児のワイルドな部分を教育するのが大変そうです。漫画じゃなきゃ笑ってられません。

…まあ、よつばが何者でどういう経緯があるのか、どこかにちゃんとした設定があればいいですが、主人公のルーツが謎なまま話が進行しています…それはそれで作者の計画的なやり方なのだとしたら、ほらやっぱりいやらしいじゃないですか。

明らかになる気配もとくにないの?ヤバくない?

…そんな謎な幼女よつばととーちゃんの小岩井家のお隣には、綾瀬家という3姉妹がいる夫婦が住んでいる。この綾瀬家との関わり合いが「よつばと!」のメインなストーリーなわけだが…翻訳家のとーちゃんは、日がなパンツ一丁で過ごしている。あれじゃあ、ふとした瞬間になか見えますけど。よつばも女の子なんですが。となりのトトロの入浴シーンで問題があるなら、とーちゃんのポロリが気になるわ(何)

無論、ご近所さん(綾瀬家)の微妙な心の距離感みたいなものも書かれていないわけじゃあない。作品全体を通底する、のほほんとした気楽さに尽くかき消されているが。その違和感はとてもリアルに感じられる。でもそれは私が大人だからだ。ジャンボだとかヤンダだとか独身男性がたむろっている小岩井家のメンズが綾瀬家の女の子と遊びに行く。だいじょうぶかこの人たち。リアルにここまで距離感が近い関係って、かなり怖いものがあるぞ。◯子校生◯ンクリート事件とか思い出すね。

実際にとーちゃんの友達ジャンボや綾瀬家の次女の風香とかは、その手の男女意識がないわけでもない。すれ違っていてその辺のキャラ設定はあまりクローズアップされないし、よつばの視点で美しい日常が描かれてはいるのだが、まっとうな大人の視点で見ると違和感を拭えない部分もしっかりリアルなキャラ設定として描いているのだよね。その微妙な空気を描くのが漫画家の才能なんでしょうけど。

長女の浅葱は独身男性を虜にする魔性の女子大生、次女の風化は女を微妙に意識していている女子高生、三女の恵那は男性を意識しない小学生。そこへ野生児の四女よつばが加わった、ありそうであり得ない日常話。なんだけど、私にとって日常とは、もっと恐ろしいものだったから、その背後にある影ばかり見てしまう。ドラえもんが交通事故で植物状態になったのび太くんの夢であるように(そんな最終回は実際にないそうですが)、これってもしかして南の島で不慮の事故にあったとーちゃんの夢なのでは?と勝手に思っています。

違うのなら良いですが。

ディストピアとまでは行かずとも、よつばと!にはある種の厭世感が漂っており、子どもが楽しんで見る話なのかは疑問です。まあ、そういう人間社会というか人間同士の影の部分も疑似体験するのが漫画のいいところだとは思いますけどね(了)

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