そう言えばアメリカのバーボンであるジャックダニエルというウィスキーがありますが、つづりは「Jack Daniel’s」で末尾に所有を表すSが付いているんですね。
…言われてみれば付いているけど、呼び名がジャックダニエルなので忘れていました。
Jack Daniel’sは創業者のJack Danielの名前から来ていて、文字通りなら「ジャック・ダニエルの」という意味です。
村上春樹の『ハードボイルド・ワンダーランド』ではわりと英語に近い音にこだわっているらしく、ジャックダニエルスと書いてあります。
そういえば……よくよく考えてみると、マクドナルドも「McDonald’s」なので、英語ではマクドナルズもしくはマクダナルズです。
McDonaldという人名に’sが付いているので、これも「マクドナルドの」という意味です。
両方とも英語で言う時はSが付く。
たんに日本語に音写した時に、わかりやすいようにSを省略しただけだ、といえばそんな気もします。
ところが逆に、ハンバーガー屋さんのウェンディーズは「Wendy’s」、ジーンズのリーバイスは「Levi’s」で、ちゃんと日本語にもSが残っている。
英語の発音ではどれも最後は「ズ」に近い音になります。
ほかにも百貨店のMacy’s、オークション会社のChristie’s、Sotheby’sなど、英語圏では人名+’sをそのまま店名にしている例は結構あります。
ちなみにこの’sは複数形ではなく所有格です。
Wendy’sなら「Wendyの店」、Levi’sなら「Leviのもの」という感じ。
それなのになぜマクドナルドは「マクドナルズ」ではなく、ウェンディーズやリーバイスはSが残ったのか。
「言いやすかったから」と言えばほぼ説明できているとは思いますが、単純に慣れてしまっただけな気もします。
結局、言葉というのは正確なルールで決まるというより、みんながそう呼んでいるうちに、それが名前になってしまうものなのかもしれません。

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