映画『むこうぶち』を見ている。
心理描写が描かれないので主人公と言っていいのか謎だが、むこうぶち=孤高の雀士・傀(かい)は、アパ騒動で有名な袴田吉彦。喰われ役は、昔は裏プロだったが現在は倒産寸前の町工場の社長であるつまみ枝豆。無冠の帝王と呼ばれるベテランの裏プロ・安永はプロレスラーの高田延彦、雀荘のオーナーがガナルカナル・タカ……で、なんか専業の俳優で固める気がないのはなぁぜなぁぜ? あ、この人なんか懐かしい…しおり役の及川奈央は、いろんな意味ではまり役だが、てか傀はもっと影がある俳優に演じてもらいたかったな。
漫画の『むこうぶち』自体あまり知らなくて、傀の心理描写は一切描かれず、ただ傀によって人生が大きく変えられてしまう……。言ってみれば『笑ゥせぇるすまん』みたいな構成の話で、雀荘に舞い降りた悪魔キャラなんですよね。
刃牙で言うところの範馬勇次郎ポジションで、周りが右往左往するだけ。
というわけで、「むこうぶち=傀」は、範馬勇次郎(最強キャラ)+喪黒福造(人生を狂わせる死神)みたいな理解をしている。
余計な解説も無駄なドラマも少なく、ひたすら打ち回す様に、傀以外の心理描写を添えて表情を映すだけで十分に様になるのがシンプルにして上手い。というか麻雀映画って、これでいい気がする(苦笑)。手配が悪いときに「運が尽きた」とか手配がいいときに「運が回ってきた」とかいちいち言わなくていい。
……まあ、映画版の傀のほうが、漫画よりも血が通っている人な感じがするので、それはそれでいい気がしてきた。
二人でブラフ鳴きしたところで、裏プロを下せない。高レート麻雀で見知らぬやつ二人を入れていたら、ヤクザのシノギにならない。ビジネスなんだから、熱くなったらダメだね。
というわけで、1本の映画に2つのシナリオ。
「町工場の社長の破綻」と「ヤクザのシノギ失敗」を盛り込んだ話。
…つか傀の決め台詞である「ご無礼」って、やはり改めて考えるとおかしいですよね。当然の勝ちなんだから、無礼もなにもないわけだ。
今回はいいところのない安永も、なぜか失態した社長の1000万円の借用書を300万円ほどでちゃっかり回収。
というわけで、短いながらもぎゅっと話が詰まっていて面白かった。次回も期待したい。
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