【戯言】転生したらメラしか使えない魔法使いだった件

徒然草2.0

こんにちは。

ぼくは、手の平の上で5秒ぐらい火を灯す魔法を使うことができます。

マッチでつけたような、か細い火ですが、一応は自由に出すことができるのです。

まあ、自由と言っても、1日1回しか使うことができませんし、魔法とかスキルと言っても怪しい特技ですが(苦笑)

訓練で使える回数が増えるかというと、真剣に取り組んだわけではありませんが1日1回が限界な感じです。

もし、ぼくがタバコを吸う人であれば、ライターを忘れた時なんかに役立つ魔法なのかもしれませんがあいにく吸いませんし、現代において手から火を出す魔法を使える利点はあまりにも少ないことは想像しやすいでしょう。

キャバクラで「種も仕掛けもない手品」を披露するくらいが関の山ではないでしょうか。

しかし、それとなく人前で手品をしてみたはいいが「もう1回やって」と言われたら再現できませんし、中途半端すぎるスキルもいいところです。

そういうわけで、ぼくはこの一発芸を誰にも披露したことがないし、生涯で1度も役立てたことがありません。

もし悪い奴らにとっ捕まって両手を縄でグルグル巻きに縛られたら、縄を火の魔法で燃やして逃げることぐらいならできるかもしれない…などという妄想をしてみたこともありますが、残念ながらそんなシーンに一度たりとも遭遇したことがありません。ぶっそうな世界に転送されなくてよかったと言うべきでしょうか(苦笑)

…だいたい火なんてものは出そうと思えば道具が必要ですけど、原始人がいた時代から木と木を擦り合わせて摩擦熱で作り出せていたわけですし、無から有を作り出しているとは言えませんよね。極めてちんけなスキルです。考えれば考えるほどに自己嫌悪に陥る魔法なわけです。

もし、ひとつだけ救いがあるとすれば、自分以外にこの手のチート級のスキルや魔法を使える特技を持ったものがいないことでしょうか。

自分が使えない魔法とデキるヤツとを比較して更に落ち込むこともありません。役にも立たたない自慢にもならない魔法使いなのでした。

生まれ変わったら?重力をゼロにしたり魔力をゼロにする能力者になりたいですね。火属性のくせに火属性らしからぬとか一番いらないヤツですから。

(了)

徒然草2.0
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