戯言。トム・ソーヤーとロビンソン・クルーソーは似て異なるんだよ

徒然草2.0

小学生向けの民間学習スクールから「小学生が読むべき児童文学」みたいなリストを入手しました。名作童話がつらつら書いてあって、それを見ていて懐かしいと思ったので、簡単に読めそうな児童向けの書籍を読んでいるところです。

…幼い頃に本が家に無かったというのもあるんですが、トム・ソーヤーは今読むととても少年時代の冒険物語で面白いし美しい話だなとすら思うのですが、、これってスタンド・バイ・ミーとほぼいっしょだな。つーか、あまりピンとこないんです。ピンとこないというのは、強いて言えば…あんまり面白くない…というか。(つーか、スタンド・バイ・ミーが、トム・ソーヤの影響を受けているというべきか)

あとトムがウミガメの卵を食べるんですが…そんな簡単に海岸でウミガメの卵なんて見つかるんですかね。ロビンソン・クルーソーもウミガメの卵を食べて(食べたせいなのかわかりませんが)熱病にうなされますが…こっちの苦しみのほうがリアリティあるよね。トムがただ「美味しいウミガメの卵を食べた」みたいなあっさりとしたシーンで終わるのが、なんだか許せません(苦笑)クルーソーは私の解釈ではウミガメの卵を食べて死にかけたんですよ!トムとは天と地ほども差があります!同じ無人島を冒険する話でカテゴライズされるのが腹立たしいくらい!

そうそう、トムソーヤーは言ってしまえばスタンド・バイ・ミーと同じ(なぜか何回も言う(汗))。少年時代の美しい思い出みたいなもの。美しすぎる話だから受け付けないんじゃないだろうか?なんて今なんとなく仮設を立てて分析しています…

私はロビンソン・クルーソーが好きなのですが、じゃあ「トム・ソーヤーの冒険」も好きだろうと言われるのだが、強いて言えば別にトムの方はやはり好きじゃないんですよね。ロビンソン・クルーソーって別に美しい話じゃなくて、クルーソーの人生が否応なしに無人島によって多くを過ごすことになってしまった試練です。ぜんぜん違う。

まだ、トム・ソーヤーの冒険に出てくるキャラで言えば、ハックルベリー・フィンとか同じ系統でいうとムーミン谷のスナフキンとかの方が人間性?としては大変好むかな。でも、やっぱりちょっと彼らはロビンソン・クルーソーとは立場が違う。

感情移入しやすいというとそうでもない。彼らのスタンスから何か学べるかというと…なんか学べない気がするんですよね。いい意味で事なかれ主義みたいな感じだし。自然体でいいんだけど其れ以上でもそれ意外でもない。僕の理想とする人はスナフキンだ、って日本人はいるかもしれない。ハックルベリー・フィンについてももしかしたらいるかもしれない。まあ、ハックルベリー・フィンに似ている人と言うと、フィンと同じく樽の中で住んでいたと言われるギリシャの哲学者ディオゲネス・ラエルティオスがいますが、こっちはおじさんだから達観しているのが許されます(?)がフィンはリアルに子どもだからなんだか「ませた子」に見えるのでなんだか許せない!(ぇ)まったく勘のいいガキは嫌いだよ…的な。ちょっと違うか。

トムが「俺は海賊になる!お前は何になるんだフィン?」と言ったらフィン「おれはおれのままだよ」とか返しがうまい気がするけど…悪く言えば事なかれ主義です。まあ、それも生き方であり一つの悟りの境地なのかもしれませんが、すが試練を生き抜く姿勢とは相成れない感じがします。人生なんて着の身着のままありのまま何事も「そんなものさ」で片付けるのも大切だけど「嵐の中にいる自分」を自覚した時にそれじゃあダメなんでは…

という意味では自然にひーひー言いながら一人孤独に生き残ろうとしているロビンソン・クルーソーが好きです。でも、なんでだろう?うまく言語化できるほどの知識がありません。(とりあえずロビンソン・クルーソーは読み直す必要がある気がしている)

たぶん、ロビンソン・クルーソーは言ってみれば基本的に無人島になんか流れ着きたいわけじゃなかったから。

つまりはクルーソーの場合は不可抗力でそういう境遇になっている。ここが重要。

トムにしてもフィンにしてもスナフキンにしても不可抗力で旅に出たり今の立場になっているというのは設定としてあったような気がしますが、別の生き方ができるのに「海賊になるぞ!」とか言っているのでオトナの立場からすれば「なめんじゃねーこのガキ!」みたいな。クルーソーはもっと深刻で深い葛藤の中で無人島で過ごすという不幸とか苦しみの果ての境地にいるんですね。

そこが違う。

同じ児童文学で言えば「宝島」はトムソーヤーと同じ冒険ものですがどことなく退屈な印象。

逆に「巌窟王」は人生を奪われたダンテスの復讐劇なのが面白い。フランダースの犬のネロもレ・ミゼラブルのジャン・バルジャンも不幸だから美しい。

つーわけで、今思うと小学生の時から自分の場合は「好み」がはっきりしていたんだな。クルーソーにもフライディという黒人とのからみ?がありますが、男の友情みたいなのは、やはり二の次だと思っているところがあるせいなのかも。あくまで一人孤独なサバイバル精神つーのに浸れるのがいい。

私は、不幸で孤独な人の話が好きなんですね。けして、トムみたいなやんちゃ坊主の冒険に興味があるわけではない(苦笑)

…で、好みというものがある以上、「小学生が読むべき児童文学」みたいな押しつけで本を読んだところで、基本的にほとんどモノにならないと思うんですけどね。まあ、お気に入りの1冊や2冊を見つけることは重要だと思いますが。

自分で言えば「ロビンソン・クルーソー」と「レ・ミゼラブル」かな。

何度、読んでも面白い。

このあたりは深堀りしていくともう少し何か分かりそうなので、引き続き取り組んでみる。

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