ネタバレあり。
前提情報なしに見ました。
率直に結論から言うと、すごい退屈。特に前半1時間30分は特に退屈でどうしようかと思いました。後半はとりあえず最後まで見届けなきゃ!という気持ちで見ていましたが、オチはだいたい分かっていたし、別に得るものもなかったので、人に勧められる映画ではない。Twitterとかインスタでミッドサマーって言いたいだけやろ。どうやってこの映画のいいところを探せばいいんだ?って感じ。最後まで見て後悔は別にしていないが「見て良かったか?」と言われれば別に何も良いところはなかった。そこらへんのひとが「ミッドサマー」的なものをネタにしている時に一緒に「分かるー」って気持ちになれるのが嬉しいな、くらいですが。とりあえずカップルで見ると幸せにはなれません(苦笑)
アメリカの大学生たちが、スェーデンのヘルシングランドの森の中にあるカルト教団に接触して染まっていく話ですが…ホラー映画とは違うジャンルな気がします。サスペンスも違う。話がよくできているのでフィクションとはいえドキュメンタリーに近い。
ちなみにこの映画をあえて無理をして言えば「心地よい感じ」で見ていました。自分は頭がおかしいのかもしれませんが「気持ち悪く」なる人もいれば「気持ち良くなる」人もいて、自分はどちらかというと後者です。
ふつうは…カルト教団っていうだけで不気味で恐怖心を覚えますが、そういうものを視聴者に抱かせない感じになっていました。映画を見ている方も幻覚を見せられて、教団に染まっていく気持ちで見ているのがいいでしょう。視聴者にその辺の判断は任せられています。私は現実社会というか文明社会を厭世的に捉えているから、反社会的カルトの存在も相対的に認めたくなる気持ちもあるからなのでしょう。リアリティある描写でホラー映画を見慣れた人ほど感動する作品なのかもしれませんね。いやらしい臭さがないというか。でも生成AIとか上手く使えばこの手の映画はいくらでも作れそうな気もしました。低予算で日本版ミッドサマーを作ってもいいかも。
最後に教団の女王になったダニ―ですが、ダニーの妹や両親が心中してトラウマを持っている話とか学友の男たちとかの話は別に無くてもいい気がします。本当のファミリーやフレンズに対して自分の居場所がない…くらいの設定で十分にダニ―がカルト教団での女王の境遇を受け入れる素地があると見做せる。とりあえず最後はダニーの笑顔が見れてよかったです。ダニー再生の物語。生贄にされたダニーの彼氏であるクリスチャンが言っていたように、教団の文化を受け入れて「偏見を無くしたい!」という気持ちで見るべき。最後はダニーの笑顔が見れてハッピーエンド。清々しい!言葉にするなら両手の親指をたてて「イエーイ!」って気分(わりとマジ)。
自分がダニ―にせよクリスチャンにせよ、もうここまで夏至祭の儀式にとりこまれたら死ねばもろとも最後まで行けば分かるさ!で突き進むしかなくなる(いや、ふつう2人の老人が飛び降り自殺させられた時点で、この教団やべーって判断して脱出すると思うけど)『TRICK』だったら村の方が壊滅すると言っていた人がいたな。そういう話なら『TRICK』を見てみようかな反社カルトの話は嫌いではない。むしろ好き。
…そして、最後はなぜかギャグ!
ここでギャグいりますかー?ここまで完成度を練り上げてきたのに、なんでギャグ映画にしたんだよ?全裸でいちもつ抱えて走り回るクリスチャン、最後は熊の毛皮をきぐるみのように着せられてファイア!最後まで真面目にやってー(汗)ギャグ映画を見ていたんだっけ???
…つーわけで、映画全体の雰囲気はよかったけど、個人的にはつまらなかったので★★★☆☆とします。アマゾンプライムで高評価なのが謎です。
ー完ー
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