読書|『金閣寺』を読んでる(2)ボーイズラブと金閣寺

徒然草2.0

父が死に、金閣寺の徒弟となって母のもとを離れ、横溝は寄る辺のない生活に入る。そこで出会ったのが、都会育ちの男友達・鶴川だった。彼は横溝の吃りを気にしなかった。その無頓着な優しさが、かえって横溝を裸にした。

「吃りであることを無視されることは、それそのまま、私という存在を抹殺されることだと、奇妙に信じ込んでいたのだから。……私は感情の諧話(かいわ)と幸福を感じた。そのとき見た金閣の情景を、私が長く忘れ得ないのはふしぎではない。」

その後、二人は南禅寺へ出かけ、奥まった場所で奇妙な幻影を見る。振袖姿の女が乳房をあらわにし、茶碗の茶にそれを注ぐ。それを士官が飲む――そんな不思議な光景だった。

後付けの解釈にすぎないが、横溝はそれを「男女の別れの儀」と受け取った。そして、その女の姿は、幼い頃、地元で脱走兵に撃たれて死んだ少女・有為子(ういこ)の面影と重なる。

そういえば……十代のころの男友達という関係は、年を取ってから振り返ると、どうしても「ボーイズラブ的な何か」にしか見えなくなってしまう。

だから、とりあえずボーイズラブということにしてしまうのだけれど、まあそれは老人の側のレッテル貼りなのだろう、とも思う。

大人になると、あの年頃特有の関係性にはもう気づけない。だからこそ、なんでもかんでもそういうふうに描いてしまう――それってどうなんだろう、とも感じる。

…このあたりのことは、まあ、またいつか考えてみたい。

徒然草2.0
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