ネタバレあり。前回の話。
これ、結論から言うと――Falloutのシーズン1って「ただのエピローグ」だったんだな。ルーシーがVaultから地上に出たのは“始まり”ではなく、“始まりの始まり”に過ぎなかったのだ。
戦前、モルディーヴァは元教授?それともアントレプレナー? 低温核融合炉を実用化した人物だが、その会社はVault-Tec社に買収される。マッドサイエンティスト的な気質があり、目的のために手段を選ばない。Vaultにレイダーをなだれ込ませた殺人集団の首謀者だが、立場が逆なら「信念あるカリスマ女神」なわけだ。
Vault 4の実験現場(レベル12階層)を見たルーシーは、地上へ“解放”(≒死刑)される。ただし、食料2週間分付き。意外と寛容な人たちだった。……が、結局すべてのVaultには何らかの“実験目的”があることが明らかになる。そこに住む人々(ルーシーやルーシーの弟ら)が、その真相を知っているかどうかは別として。
ルーシー「タイタス、あなたは最高の他人ね。これがすべて終わったら、Vault33で暮らさない?」
これってジョーク?訳のせい?「あなたは最高の他人」なんてセリフ、使ってみたいけど言われたくはないな。一応、嘘つき同士だが愛で結ばれたらしい。ルーシーはやたら積極的で前向きすぎる。ちなみに“タイタス”は野垂れ死んだナイトの名前で、実際はマキシマス。(タイタスは偽名)
Falloutはルーシー、マキシマス、クーパーの三人が主人公の物語。でもマキシマスだけ、ただの戦争孤児というルーツしかなくて少し浮いている気がする。マキシマスの初恋は、どこまで続くんだろう。
ちなみに戦前、Vaultは犬禁止になった。クーパーにとって、それは許せないルールだ。グールになった後の彼はドッグミートの扱いこそひどいが、戦前は愛犬ルーズベルトを絶対に捨てない、義理堅い男だった。犬は家族。家族を守れないシェルターなんて、糞食らえさ。
死んだ母のPIP-BOYは監察官のベティが“埋葬”した――その意味は? モルディーヴァはそのPIP-BOYを使ってVault33に侵入した?……ああ、そういうことか。母はVault33から逃げ出し、父はそれを知っていてシェイディ・サンズを吹き飛ばしたのだ。…すべてが明らかになる。
ルーシーの父ハンク、そしてクーパーの妻バーブ。二人はVault-Tec社による国家規模の大量殺人に加担したメンバーのひとりだった。最も愛する人が“倫理的にヤバい科学者”だったと知ったルーシーとクーパーは、同じ目的を共有し、共に旅立っていく――。
Follout3の父親と被る部分もあるが、ドラマの父親はだいぶ立ち位置が違うし、別物って感じだな。ただ、まあ、娘を大事に思う気持ちというのは本物なのだろうし、話は複雑だ。愛するものがクソ野郎に変わる瞬間に2度も出くわす話が”はじまり”なんてにくい演出だ。
…みたいな話だった。一巡巡ってアメリカンSF映画になった感はあるけど、最初退屈でなかなか振り回されながらのシーズン1エピソード1~8は6まで退屈だったが結果的に楽しめたし、これから出るシーズン2が楽しみに待てる気持ちに慣れてよかった。
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