プロフィールに選べる運転手の画像が妙にリアルで、ちょっと見入ってしまった。どうやらアメリカ版もあるらしい。もし日本版が出たらぜひやってみたい。日本全国をトラックで回れるようになったら、きっと不思議と嬉しい気持ちになれるだろう。
最初はギアの入れ方が分からず、トラックがうんともすんとも言わなかったが、設定をオートマに切り替えたら直感的に動かせるようになった。マニュアル操作はリアルだが、気を遣うことが一気に増えてしんどくなる。キーボードでの運転は正直つらい。路上に出てベルギーの市街地を走ってみたら、つい日本の感覚で左側通行してしまい、あやうく逆走で正面衝突するところだった。日本は左側通行、ヨーロッパは右側通行。そこさえ気をつければ、意外とスムーズに走れる。カーブでは大きめにハンドルを切らないといけない印象だったが、慣れてくるとそのあたりも感覚でなんとかなる。
ただ、正直なところ「ゲームとして何が楽しいのか」はまだ見いだせなかった。ひたすら走り続けるだけのプレイは、目的がないと少し退屈に感じる。とはいえ、VRや専用のハンドル型コントローラがあれば、没入感がまったく違ってくるかもしれない。むしろ「トラックを自動運転にして、運転手は遠隔でサポートする」という未来の物流の姿を考え出してしまったくらいだ。
そんなことを考えながら走っていたら、いつの間にかスピードオーバー。スピード違反や信号無視で次々に罰金が引かれていく。警察にも追いかけられた。歩行者はいないようなので、人をはねる心配はないが、周囲の車たちはとてもおとなしく、こちらが少々無茶をしても事故にはならない。そういう意味では、かなり「やさしい世界」だ。
可もなく不可もない。だが「ただ運転すること自体が気持ちいい」と感じる人にはぴったりのゲームかもしれない。エンジン音や道路の感触、トラックの重さの表現など、リアリティの追求という意味では本当にすごい。昔『グランツーリスモ』でル・マンの耐久レースを何時間も走るのが楽しかったので、自分も向いているかと思ったが、数分で限界だった。どうやら自分はトラック運転手には向いていないようだ。
ゲームの公式紹介によれば、「重要な貨物を長距離輸送するトラック運転手として、ヨーロッパの60以上の都市を旅し、イギリス、ベルギー、ドイツ、イタリア、オランダ、ポーランドなどを横断する」――そんな壮大なスケールを味わえるという。配送をこなしながら自分の運送会社を経営し、トラックをチューニングしたり、運転手を雇って事業を拡大したりもできるらしい。オンラインで仲間と「コンボイ」プレイができるのも魅力的だ。
自分の場合は、そこまで到達する前に息切れしてしまったけれど、「ただ走ること」に心地よさを感じる人には、きっとハマる世界だと思う。数千キロの実在する道路網、数百のランドマーク、そしてヨーロッパの空の下でハンドルを握る爽快感。そういうものに惹かれる人には、たまらない一本かもしれない。
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