この前、保健師さんと面談する機会があった。
話の流れで「豆乳飲料って“コレステロール0”って書いてあるから、血圧上昇の原因になるコレステロールを摂っていないですよね」と言ったところ、どうやらその発言が少し“おかしい”らしい。
コレステロールは動物性脂質にしか含まれない。つまり、植物性の豆乳にコレステロールがないのは当たり前なのだ。見る人が見るとそう思うらしい。知らない私は、へーコレステロールが入ってないんだー!すごーい!と思っていたけど、、、。
それに気づいてからというもの、世の中の「当たり前をありがたく見せる言葉」がやたらと目につく。
「グルテンフリーの醤油」――そもそもグルテンは小麦由来だから、小麦を使っていなければ自然とグルテンは入らない。
「紫外線カットのガラス」――普通のガラスでもある程度の紫外線は遮るし、車や建物の窓はほとんどがそうした仕様になっている。
「三元豚を使用したトンカツ弁当」――聞こえはいいが、日本の豚肉の多くはそもそも三元豚(ただの三種の掛け合わせた豚ってだけ)。
挙げればきりがない。
「レタス2個分の食物繊維」と言われても、レタス自体が食物繊維の少ない野菜だし、
「国産原料使用」も、100%とは誰も言っていない。ほんの一部でも使われていれば成立する。
「天然由来成分配合」「オーガニックコットン使用」も同じ。
「天然水100%」といっても、地下水を汲んだというだけで、安全性や味の良さとは関係ない。
「保存料・着色料無添加」とあっても、代わりに酸化防止剤がしっかり入っていることだってある。
書いてあること自体は嘘ではない。
…けれど、それを“特別な価値”に見せるのがマーケティングのためでしかない。
消費者の「なんとなく体に良さそう」という気分をくすぐる。
そして実際、それで売れるのだから、企業を責めるのも筋違いかもしれないが…。
ただ、知っているか知らないかで見える世界は少し変わる。
「まあ、これはいいものなのね」と思って買うのは気分は悪くないけれど、
無知のまま「昨日は三元豚のとんかつを食べましたの」と言ってしまうのは恥ずかしい。

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