ステージ4の膵臓がんと闘病している経済学者の森永卓郎が最期に書く!渾身の1冊。『ザイム真理教』を読んだ。いろいろと内容がエグかった。以下のくだりが一番エグかった。
いまでは、本当に反省しているのだが、私自身も大蔵省と同じ病気にかかってしまった。私の仕事は、大蔵省から予算をとった後、今度は工場や支社に予算を配分する立場に変わる。そうなると、今度は自分が「ミニ大蔵省」になってしまうのだ。関東支社の予算課が声をかけてきた。「森永さん、今度、忘年会をセットするので、来ていただけませんか」社内版の官官接待だ。それに対して私はこう言い放ったのだ。「行ってもいいけどさ、女連れて来いよな」そして、関東支社は、予算課に勤務する若い女性社員を連れてきた。それが現在の妻だ。だから今でも時折、妻は「私は人身御供にされた」と言う。(中略)ずと周りからチヤホヤされて、自分の一言で、思い通りに人が動く経験を重ねていくと、やがて人間は、自分が全知全能の神であると勘違いしてしまう。そこにザイム真理教の源流があるのだ。
責任をとったのだからいいのかもしれない。また、ある意味これは妻が森永卓郎を救ったのかもしれない。
経済の話、宗教の話、いろいろあったが、この事実がすべて本の内容をかっさらっていった気がする。
日本の未来は暗い。というのだけは改めて大変良くわかった。
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