戯言。『さようならドラえもん』中島義道を読んだ感想。

徒然草2.0

中島義道って子ども向けの本も書いているのだな。

子どもと言っても15歳を対象にして書いた本であり大人でも読み応えがある。

表紙も水色でドラえもんカラーだから、ドラえもんについて書かれた本なのかなと思ったが、ほぼドラえもんの話は出てこない(笑)ドラえもんも好きだから、面白そうだと思って手にとったので、裏切られた気分だ。。

カントにかぶれた中島義道がパチモンの哲学者カトンを名乗り、青年をだらくさせた罪で死刑にされたソクラテスのごとく、大人が目を背けたくなる社会で常識とされていることに対して、真正面から向き合って子どもたちと対話形式で考える講義を行っていく。

「どんなにつらくても自殺しない子」「絶対にウソをつかない子」「なるべく人に親切にする子」「一生けんめいに勉強する子」という4つのテーマ。

中島義道のパンチは大人向けの本と動揺に効いてて読み応えがあるし、中島義道のどの本よりもカントに親しみの気持ちがわきおこる。

カントの言っていることは「はあ?」ちょっと意味がわからないところがいっぱいあるがそれをわかりやすく解説してくれる。

包丁をもっている殺人鬼に追いかけられている友達を家にかくまって「ここにはきてないよ」とウソをついたら道徳的にはダメだとカントに言われても「しらんがな」と言いたくなる。人の命よりも真実が重いとか言われても、そんな道徳的な人間になれないよなと思ったりもする。

が、当時の人にもカントは理解されなかったらしい。言っていることがよくわからんとカント道徳観にふれて思うことは自然な反応であるらしい。

…が、私達はその一方で真実のほうが重いというものに従っていることもある。

美しいことや人として守らない義を失することを「恥ずかしい」と感じる。

できるかぎり、そういうものに従って生きることが、善い気がしてくる。

つーわけで、そんなテーマを平易な文で考えさせられるので哲学入門に超おすすめ。

徒然草2.0
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