ネタバレあり。
…『魔性の子』の続きとして読んでいる。
なんとなく魔性の子と似ていて、この現実世界に居場所のない優等生ぶっている女の子が主人公だった。この現実世界に居場所が無いと、異世界に転生させられるとか?そんな優等生のふりがうまい陽子さん。
ケイキと呼ばれる男に無理やりジュウユウという怪物を憑依させられ、異世界転生へ送り出されることになる。異世界の慶国では多くの人に騙され(売春宿に売り飛ばされそうになったり、お金を盗まれて無一文になったり)そして人間不信になり、もといた現実世界に戻りたいとは思うものの、優等生のふりがうまいだけの陽子は現実世界においても同級生にも両親にもさほど好まれていない存在だったという残酷な事実に気がついていく。不憫ちゃあ不憫。まあ、最初からそういう話なのでシナリオに捻りはないが…。
まあ、裏を返せば人間なんてそんなもの。もとより孤独な存在なのかもしれないので、そういう事実に改めて陽子とともに読者が浸れる。。。
…いずれにしても小野不由美って人は、なんでそういう人間をこうも人間の孤独性をこれでもか!と書き表そうとするんだろうか?そこらへんに良く分からない情熱を感じている。文学がそもそういう孤立というか個人を明確にするものだからか。まあいずれにしても、もともと私たちは異世界の存在であり、だからこそこの現実世界に居づらいのかもしれない…そのように考えると妙に納得してしまうところを誰しも持っているのではないだろうか。あんま語るとスピリチュアルな話になるのでこのへんにしておくが。。。そのことに納得してしまう人は、だったらばで異世界に自分も行けるような確信さえ持つ。そう考えると俄然、異世界がこの現実世界よりもリアリティを帯びてくるから不思議である。
あ、でも「魔性の子」ではそう勘違いした新米教師の高瀬は逆に異世界と自分はなんら関係がない人間なのだ…という逆の残酷な事実を突きつけられたわけだが。なんとなくこれは私の勝手な憶測だが…異世界に転生できる可能性を持つ人は、未成年に限られるのかもしれない。ちなみにバンダイナムコで十二国記のアニメが1話だけ見れるので見てきたのだが…陽子の同級生であるいじめられっ子の杉本が異世界に興味を抱いていたがケイキに「お前は関係ない」と一蹴されていた(笑)。これは小説にはない設定だが、進んで現実を捨てて異世界に行きたい人が海客(海を渡って異世界から来た人)になれるわけじゃないみたいだ。まあ、あたりまえだが。異世界の神に選ばれないといけないらしい。だから、私にも誰かジュウユウとかいう化け物を憑依させて宝剣を持たせて異世界へ転生させてくれる麒麟が現れないのないだろうか?などいった妄想を、私のようなおっさんが抱くだけ無駄ということなのだ(涙)…嗚呼、残念、無念。ジュウユウというスタンド能力があったら色々と楽なのになぁ。
…というのはさておき、陽子の敵か味方か分からないが「ケイキ」という着物を来た金髪男に誘われるままに虚海を超えて異世界・慶国?傾国?へとたどり着いた。あんまり憶えていないのだが…「魔性の子」で、は主人公の男の子がタイキ=泰麒という泰国の王を救う麒(オスの麒麟)という神獣みたいな存在だということが明らかになった。そのことから類推するに「ケイキ」は慶麒であり慶国の王のために働く存在だということ。陽子は青猿の言うことが真っぽいので、恐らく「ケイキ」に騙されたか知らないが、12国のどっかの国の人という設定で異世界に連れもどされた人外の神獣のようなものの一種…だから何だ?って感じですが。
つーわけで、全然、よく分からない。
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