『ちいさこべ』山本周五郎を読んだ感想。
ちんなみに、
ちいさこべ…というタイトルの由来は、日本書紀に出てくる少子部蜾蠃(ちいさこべ のすがる)という人物。天皇に蚕(かいこ)を集めて来いと命令を受けた人物が、間違えて人間の子を集めてきた。
天皇は大笑いして、その人に子どもの育成係を命じて名前となったらしい。
…というわけで子どもを集めて育てるという意味になる。
あらすじ
江戸の火事で両親も資産も失った大工である若棟梁の茂次(23)が、火事で孤児になった10人あまりの子どもを育てつつ、若いおねえちゃん2人の三角関係と仕事に悩みつつ、なんとか上手くやっていくという話(まあ三角関係ってほどではないのだが)
…というわけで、最初っからありえない初期設定というか出来すぎた設定の話だった。
いや、これがまあいい話ではあるんだけど。
マンガやドラマにもなっているらしいので、その手の作品を楽しんでもいいかもしれない。
でも本の方が、ここちよい読後感に浸れると思う。
茂次は頑固者の江戸っ子だが、若いのに大人として出来すぎたやつで、とてもカッコいい。
心が現れる作品だった。
自分ももっと他人のために生きる人にならないとね、と山本周五郎作品を毎日読み続けていたら思えるようになるかもしれない。
聖書よりも人格が変わる気がする。
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