自己啓発本は嫌いではありません。むしろ昔は不安な気持ちを消すことを原動力（？）に、誰よりも進んで好んでよく読んだり取り組んだ方だと思います…しかし、中にはピンとこない言葉もあります。今ふとこの言葉が「そんなに好きじゃない」というやつを上げるとすると「自己肯定感」と「ポジティブシンキング」です。まあ、ポジティブシンキングについては今回もうふれませんが。
いずれにしても、どちらも大事なものだと思います。根拠の無い悩みに悩まず物事を前向きに考えるっていうのは、大切だと思うのですが、なんだか響きが気に入らないです。
…ようは「自己肯定感」が、現在の自分の感覚を表す言葉になりえない。
…この、なんでだろう？ってことについて、しっかり捉えておきたいけど、なぜなのか理由が分からない。困ったものです。
だから、とりあえず興味がない言葉なのだけれど、最近よく世間で聞くようになった「自己肯定感」って言葉についてちょっと深めていきたいと思います。若い人にもよく相談されます私は「自己肯定感が低い」…じゃ、高めればいいんじゃね？みたいなふうに思っています。じゃあ、私は自己肯定感が高いのか？と問われると、その自信がない。早い話が自己肯定感を分かっていない。たぶんこれは予想なのだけど、客観的に見たら自己肯定感が低い人間なんじゃないでしょうか。妙に自信があるときもあります。ひどく落ち込んでいる時もあります。自己肯定感が壊れているのでしょうか。
私は自分の能力とか持っているモノにはあまり自信がありません。というか上を見れば切りがありません。くよくよ悩むときも、先に言った「根拠のない不安」に怯えることも多々あります。すべてが失敗する気がして、何もかもやる気がなくなる。でもそれって、別に自分や自分のことを固定してくれる何か強い気持ちがあるとかないとかと関係ない気がするんです。別に自分を肯定してくれるものがないから思いとどまっているわけじゃないというか。いや、自分が参加する共同体（会社、家族、サークル、地域共同体、スポーツチームでも、なんでもいいのですが）から認めてくれていないと感じることは問題だけど、自分が自分を信じられないってあまり問題に思ったことがないヤバい人なのか？ もしかしたら、私のような人は「自分は自己肯定感が低い」と悩まなければいけない可能性を感じているのですが、どうも私は自己肯定感が低いと思っていません。
で、これはウチの人とも意見交換したのですが、１０代後半か２０代前半でまだアイデンティティが確立しておらず、社会人として「何物ももっていない」という漠然とした不安な気持ちを表現する言葉として便利だったから使われるようになっただけで、私の世代かちょっと上の世代でいうところの「自分探し」とか「アイデンティティの確立」が必要なモラトリアム状態のことをただ指しているのではないだろうか？ということになったのですが。正しいのでしょうか。なんだか人の悩みを聞いていると確信が得られないので、もうちょっと「自己肯定感」とそれが無いと悩む人の気持ちを深掘りしていきたいと思います。
鋼の自己肯定感～「最先端の研究結果✕シリコンバレーの習慣」著・宮崎直子には以下のように自己肯定感という言葉が定義されていました。
「自己肯定感が高いとは、ありのままの自分を”無条件で”受け入れ愛している状態」
てことは、やっぱりこれ自分探しとかアイデンティティを確立していることの前段階の状態ですね。
「脳の名医が教えるすごい自己肯定感」著・加藤俊徳には以下のように自己肯定感という言葉が定義されている（なにかの辞書に書いている言葉のようですがソース不明）
「自分を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する語。自己否定の感情と対をなす感情とされる」
「何があっても「大丈夫。」と思えるようになる自己肯定感の教科書」著・中島輝には以下のように書いてあります。
「自分が自分であることに満足し、価値ある存在として受け入れられること」
…やっぱりこれって、他人に評価されるとか、気に入られるとか、関係ないですよね。
なので、例えば、好きな女の子に話しかけられないとか、就職活動で自信を持って話せないとか、自己肯定感と「そんなの関係ねえ」ですね。
でも、もしこれ私が間違っているとしたら…自分を愛していようが、人に嫌われたり、仕事や勉強が失敗することは、心が痛い。自己肯定感が高ければダメージがないまでも、少ないということは言えるかもしれません。いや、そうじゃなくて、
「自己肯定感１００％」ならば「他者の承認０％」でも「心のダメージ０」にすることが可能ってことでしょうか。まあ、普通に考えて「そうはならないやろ」ですよね。「なっとるがな」という意見の人がいたら出会いたい。
つーわけで、自己肯定感というのはある本にも書いてあったけど、別に明確な定義があるわけではなくて、なんとなくその人が持っている「不安」を表す言葉ってだけみたいです。
なんだか、あまり私自身のもやもやは解消せず知識欲が満たされませんでした（了）。
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