Linuxの教科書という本を読んでいたら「オペーレーティング・システムに定義はない」というようなことが書いてあった。オペーレーティング・システムと誰かがいった時に、それは何であるかを明確に共通のモノをイメージできないという意味だ。
あまり詳しくはないが、カーネルというシステムのコア部分のみを指して、オペーレーティングシステムと言うこともあるし、コンピュータが動くためにメモリへデータを展開する仕組みなんかもオペーレーティングシステムの一部といえるかもしれないし、その他に入っていると便利なソフトウェアも含めてオペーレーティングシステムと呼ぶこともあるということだ。
言ってしまえば発言者の意図する通りで文脈による部分が大きいということになるのだけど、それでも別に話す方も聞いている方も困らないわけで、なんだかそれって不思議だなと思った次第。言葉というのはすべて辞書的な意味があるものだと思いこんでいる節があったけど、実はコンピュータ関連の用語でさえ(辞書的な統一の意味はないという意味で)結構曖昧なのだが、考えてみればそれもそうかもしれない。なんらかの知識体系(例えばPMBOK)なども日々グレードアップしているし、メジャー・バージョンが変われば本質的な部分は同じように(特に素人からは同じものに見えがちだが)別物として扱われる。たとえ辞書にのっている言葉でも、複数の意味があって当然で、時代を超えて使われる言葉であれば、複数の意味があって当然である。
オブジェクト指向設計とかオブジェクト指向プログラミングという言葉も同様であり、各言語に異なるパラダイムがあるようだ。プロトコルとかルールとか規約といってもいいのだが、定義はそれぞれであってなんら問題はないのだ。むしろ問題なのは、言葉にはすべて統一的な意味があると思いこんでいる私自身のほうなのかもしれない。その思い込みは文章を読解する時の障壁になる。他にもこのような自分の思い込みによって曲解している言葉がないか?調べてみようと思った。
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