ネタバレあり。
うーん、他の外伝シリーズが良くできているのと、この話も緊張感があって途中までは良かったのに、なぜギャグになってしまったのか。いや、ギャグと言ってはラインハルト様に失礼かもしれない。暗殺者の真剣を素手で受け止める技量は、宇宙を統べるラインハルト様ならできないこともないのだ!
ラインハルトの姉アンネローゼの友人である貴族同士が利権がらみの問題で決闘をすることになり、その代理人としてラインハルト様がなぜか戦うことになるというお話だった。決闘と言っても生死のやり取りがない形式的な儀式になるはずだった。ところが相手方の貴族がラインハルトを葬り去るために本物の暗殺者をけしかけたことで、命を賭けた決闘をすることになってしまうのだった。その起死回生の秘策としてラインハルトが参考にしたのが日本の剣技で真剣白刃取りだという設定。ラインハルトがパソコンで見ていたのは居合い切りだったような気がしたが…いずれにしても見様見真似ですぐにその技術をみにつけるとか天才すぎるではないか。
あと、この話ではいつも従順なキルヒアイスが「いつもラインハルト様はいいところをもっていく」とちょっと愚痴っているシーンがあって、彼の本音?が聞こえてくるところがとてもいい。ああ、キルヒアイスも人並みに嫉妬するんだな。アンネローゼのために一肌脱ぎたいという思いもあるのだろうが、純粋にラインハルトにイラっとしてブーたれているのは、とても珍しい気がする。まあ、基本的にラインハルトに使える立場だというのはけして忘れない男だが、。
また、ラインハルトが見せた真剣白刃取りという技術も剣が放たれる瞬間をとらえて剣をつかむもので、タイミングによってはやってできないこともない古流の技術なのかもしれない。そういう意味ではギャグでもなんでもなくて、文字通り”真剣な”真剣白刃取りのシーンなのだ。たぶん。
…というわけで暗殺者よりも一枚上手なラインハルトが見られる貴重な外伝だった…というわけで、最初は見ていてそのオチにびっくりはしたし、この外伝自体がなくても…彼らの出世や本編に何の関係もない話なので、無くてもいい話な気がした。
1つ意味があるとすれば、コルネリアス・ルッツ提督という、本編では少し陰は薄いが超優秀で重要な提督がラインハルトに火薬銃の撃ち方と暗殺者に殺されないための策を授けてくれる。そういう意味では貴重なシーンが拝める外伝と言ってもいいやもしれない。アマゾンプライムビデオでの評価は他の外伝に比べて低いのは致し方がないが、考えようによっては味わい深いサイドストーリ。これはこれでありなんじゃないだろうか。
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