読書|近畿地方のある場所について⋯淡々と読ませられるだけ。

徒然草2.0

ネタバレあり。

ホラーが読みたかったわけではないのだが、どういうわけか漫画版を3分の2くらいまで読んでしまい、続きが気になってほおっておいたのだった。小説だと何か違うのかもしれないと思い、小説を手に取った。

⋯結論から言えば、小説でも漫画でもどちらでもいいかな、という印象。むしろ漫画のほうが、すっと頭に入ってきて無駄な描写もなく、読みやすい。

もともとは「カクヨム」で連載されていた作品らしい。いかにもSNSで話題になりそうな構成。ライターの原稿と体験談を束ねたような形になっている。バラバラのライトウェイトなホラー話が、少しずつ繋がっていくタイプ。

ペン一本で食べているライターが「読ませる」ことを意識して書いたのだろう、どことなく胡散臭さを漂わせながらも、それも含めてリアリティの一部になっている。だからか次が気になる。その点の“読ませる力”は確かにある。

ただ、それ以上に「読むべきホラーか」と問われると微妙だ。

ライターが記事やネタを継承していくように、怪奇もまた継承されていくらしい。最後まで読むと、得体の知れないものを探求してしまったような、畏れ多い何かに片鱗に触れてしまったような気分にはなるが⋯言い得ぬ存在と向き合う最終的にジャパニーズホラーに収束する感じは、そこまで悪くないのかもしれないとは思ったが。

⋯けれど終始、退屈さが否めない部分もあった。

人間の深層心理をえぐるような、強烈なエネルギーがあったかと言われると、何かが足りない。読後には、わずかな物足りなさが残る。

思った通り最後に話は繋がった……ような気もするが、自分の記憶が足りないのか、腑に落ちない部分もある。

というわけで、期待外れではあったが、読んで損をしたかと言われるとそうでもない。出だしを少し読んでみて「読めそうだな」と思えたなら、手に取ってもいいのではないか。そんな、どっちつかずのホラー小説である。

登場する男と女で呪われ方が少し違うため、全体としてはてんでバラバラな印象もある。それがカオスを生み、「あれ? これどうなるの?」というかすかな気持ち悪さを残す。

ただ、それは純粋なホラーというより、SNS小説として“次を読ませる”ための手法なのかもしれない。それがモノノケなのかオニのようなものと愛称がいい。

九割ほど読んでもなお「で、なんだったの?」という感覚が残る。もしかすると、SNS小説はあとから本として読むものではないのかもしれない――そんなことまで考えてしまったのだった。

結局、怪奇の正体はなんだったのだろう?鬼?猿?神ではないようだが⋯わからないっていうのがまた余韻を残す。

そういえば来月、近畿地方の●●●●●に来ませんか?と、ネットで知り合った人に誘われた。おいしい柿があるらしい。Iターン先としても悪くない場所だという。ちょうど仕事が一服ついたところで有給をとって行ってみることにした。

画面越しの文章は、どこか既視感があった。

取材記事の文体に似ている気もするが⋯まあ、考えすぎだろう⋯。

徒然草2.0
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