よくあるビジネス系の自己啓発本ではあるけれど、「この人どんな人なんだろう?」という興味で読んでみた一冊。
内容は「運」「人」「恋と愛」「ココロとカラダ」「時間」「仕事とお金」「自分」という7つのパートに分かれており、著者自身の等身大の考え方が語られている。
成功者というとどこかぶっ飛んでいる印象があるが、この人はそういうタイプではない。
偏差値35の元ヤンが2浪して立命館大学に入り、公認会計士になるというサクセスストーリーの持ち主ではあるけれど、それを「根性の物語」として売っているわけでもない。
どちらかといえば、身近な感覚で生きている人という印象。
公認会計士に関連した仕事を続けているわけではないらしい。起業する上で「資格がマストではない」と語っている点も興味深い。生活面では寝具にこだわりがあり、30万~400万円のベッドを試した結果、30万円のものも悪くなかったが、200万円のベッドにしたという。そのベッドはまるで雲の上に浮かんでいるような寝心地で、体調も良くなったそうだ。自分のパフォーマンスを最大限に発揮するため、仕事を詰め込みすぎず適度にワークアウトを取り入れているとのこと。
特に面白かったのは、「集中」という言葉が嫌いだという話だ。「集中よりも没頭」が大事だという。理由は、「集中」というのは本来“やりたくないけど、やらなければならない”ことをこなすためのものだからだという。やらなきゃいけないことを頑張るのではなく、気づいたら没頭していた——その状態でこそ、本当にいい仕事ができる。これはたしかにその通りだなと思った。
恋愛に関しては「寄ってくる人だけを相手にする」主義らしい。55万円ぼったくられた挙句、電話番号だけ本当のものを伝えて逃げたというエピソードもあっておもしろい。
全体を通して、周りを気にせず自分本位でありながらも、空気を読むタイプ。
我道を行く人だけど、極端ではなく、わりと“普通”な感覚の持ち主だと思った。

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