読書|『ベイビー、イッツ・お東京さま』(王谷晶)を読んだ感想。苦しみは人生標準装備!

徒然草2.0

王谷晶のわりと若かりし頃、…というか生き様を描いた小説作品なのかな。

「苦しみなんて意識するもしないもねえよ。人生標準装備だろそんなもん。」

――そんなセリフが似合う、都内のシェアハウスでスポット勤務を転々としながら生きる、底辺警備員(達)の群像。

同人小説を書くことを“生きがい”というより“祈り”として生きている抗うつ薬の副作用による小太りな28歳…まあそんな若いって頃の話でもないか。『聖☆忍者学園』(鮭とば眞)って本当にあるんだと思ったら架空だった。忍者と言えばNARUTOとか?知らんけど、特定を避けるため、そこは伏せているのか。

というか、頭の中では嫌いなやつを殺すとか、そんな物騒な想像するなよ。普通しないでしょ、そんな想像。「あいつイヤだ、キライ、死ねばいいのに」とは思うけど、実際に殺そうなんて思わない。この作者やっぱり危ねー人だ。

それでいて暴力が嫌いで、しかもレズ体質。情報が多い。詰め込みすぎ。

同人界隈のオフ会で出会った“豚ローズ”。彼女の本名は「富江」。その名前を、痴漢サラリーマンに名乗ってしまうの、なんでやねん!(なんとなく関西弁)

東京という街で、死に損ねた“自分”をもう一度発見する物語。

東京で生きているみんな壊れかけてるけど、ちゃんと呼吸(いき)してる。

痛みも孤独も、笑いながら引きずって生きてる。

そんな東京の片隅の生存報告書的な小説だった。

――で、読み終わったあとに気づいた「苦しみは標準装備」って言葉いいね。

…時々使ってみよう。

なかなかおもしろかった。個人的には芥川賞あげたい。

徒然草2.0
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