日本旭に仕手戦を仕掛ける梅谷という男
50億というお金で遊んで暮せばいいというのは、数億の現金を持っている人だって考えるのだが、安田はそういう考えを「死人の考え」と喝破する。安田の現金の500分の1も持っていない俺には、この境地が分かるわけがない。そこに安田はいるというだけで安田という男にはかなわない俺を、どうしてもみつめてしまう。
自分のせいだと思うなら思いっきりやれ!
「おまえも思いっきりやれや、自分のせいだと思うんならな」梅谷の一言。これいい言葉。何事も、思いっきりやるためには、まず自分が責任者であるという自覚が必要である。その自覚を覚えさせないようにする優しい社会を気づいているように見える。そして多くの人間はなるべくその責任を追わないように生きたいと願っている。
しかし、これは、この状態は逆に考えればチャンスではないか。自分の責任で事を起こす者と事を起こさないものが明確に分かれているのである。
自分のせいだと思っていないうちは、人は思い切りをだすことがないというのも必然の理である。
当事者意識がない者に当事者意識をもたせるというのは、無理というもの。愛していない人を愛せというものである。そんなのキリストの使徒だって難しい話である。
この話のもう一人の主人公内村さん
漫画だと冴えない人物だった気がするが、家族のために命を張って不正を犯す銀行員の内村さん。もとより正義の人なのだろう。なんでこういう役を押し付けられているのか謎であるが、この人は基本的に善人である。何かがとち狂ったせいで死んじまったが。でも、最後におもいっきりやろうとしている男でもあった。なんでネカフェにUSBメモリを隠す保険をかけたか。本当に5000万円が家族に渡るかどうか怪しい状況なのに。
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