映画|「ジョン・ウィック」を見た。おっさん同士の泥仕合い。

徒然草2.0

ネタバレあり。映画『ジョン・ウィック』の感想。

もともと興味があったわけではないが、SNSでよくネタにされているので気になって見てみた次第。アクションがそこまで好きではない時点で、たぶん見る資格はないのですが…そこについての評価は申し訳ないです。

犬を殺された復讐でロシアンマフィアを壊滅させる元殺し屋の話で、それ以上でもそれ以下でもない。キャッチコピーは「見惚れるほどの、復讐」らしいけど、私には「がんばっているおじさん」にしか見えなかった。殺し屋稼業を引退していたせいなのか、戦いはあまりスマートではなく、鮮やかさに欠ける。

主人公ジョン・ウィックが何歳という設定かは映画中では明示されない。演じるキアヌ・リーブスは撮影当時50歳前後(2014年公開)で、見た目は若いが体の動きには衰えも感じる。本人はインタビューで「35歳くらいの設定が望ましい」と語ったこともあるようだが、そう見るにはさすがに無理がある。劇中、ジョンはロシアンマフィアのボス・ヴィゴと殴り合うが、演じるミカエル・ニクヴィストも50代後半。10歳差くらいのライバル関係として描かれているのかもしれない。

物語の発端は、病気で亡くなった妻から贈られた子犬を、ヴィゴの息子ヨセフが車欲しさに押し入って奪い、殺してしまったこと。犬は妻の象徴そのものであり、それを失ったジョンが激昂するのは当然だ。喧嘩や戦争の火種は往々にして些細なことから始まる、という現実を思わせる。もし車だけを奪っていたら、まだ話し合いで解決できたかもしれないのに。

復讐の過程で登場する「コンチネンタル・ホテル」という殺し屋専用の中立地帯の掟や、ジョンの愛車フォード・マスタング・ボス429など、小道具や世界観の作り込みはスタイリッシュで魅力的だった。特にコンチネンタルのルールは後のシリーズでも拡張され、独特の「殺し屋社会」の神話を築き上げていく。

とはいえ、私にとってこの映画は「伝説の殺し屋ババ・ヤガ」の華麗な戦いを楽しむというより、血だらけで何度も立ち上がる「がんばっているおじさん」を見る映画だった。アクション映画が好きな人にはたまらないだろうけど、私にとっては「犬=妻」という重いモチーフを抱えた中年男の必死な復讐劇として記憶に残った。

キアヌ・リーブスは千葉真一に影響を受けたらしい。私より上の世代の映画サブカル好きの人は、わりと千葉真一を語れるんですけど…私はよく分からないんですよね。アクションスターと言われると、とりあえずジャッキー・チェンが思い浮かぶけど、私より上世代だと千葉真一になるらしい。見たことあるのは戦国自衛隊ぐらいかな。「千葉真一大全集 – COMPLETE COLLECTION OF SONNY CHIBA –」たしかにジャッキー・チェン以前にこれがあったら、魅入るし生きたアクションでカッコいい。こんな人いたんだなぁという驚き。

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