Fallout76を始めた。オンラインゲームとはいえ、一人でも案外楽しめる。敵もそこまで強くないし、地道にやっていればレベルは上がるし、素材も無限に拾えるので枯渇する心配もあまりない。
ただ、ゲーム開始早々、善人ぶったレスポンダーの連中に「カルト教団の洞窟に行ってきて」なんて軽く言われた時には、さすがに心の底からツッコんだ。
素手のひげじいさんに、開幕からそんな危険地帯に行けって正気?
案の定、グール2体にボコボコにされ、瀕死の状態でレスポンダー基地のベッドに転がり込み、いびきをかいて寝ていたのはこのオレだ。
金もないから、ゴミ拾いして花を引っこ抜いて1キャップで売るという、涙ぐましい日銭稼ぎ生活。誰がこんな人生望んだんだ。
でもまあ、ナイフや斧を拾って道中のレイダーに奇襲攻撃してみたら、案外いける。
……うん、もうどっちがレイダーだかわからない。
それでもレザーアーマー一式をボルトスーツの上から着込んだら、雑魚相手ならそこそこダメージ減るようになってきた。調子に乗ってカルト教団をすべて殴り倒し、レスポンダーのクエストも無事完了。
「よし、これだけ働いたんだ。100キャップぐらいは……」
と思ったら報酬はまさかの15キャップ。いや、せめて値段交渉くらいしろよオレ。ここは常識の通じないアパラチアだった。トホホ。
そんなこんなでバットだのスワッターだの、いろんな打撃武器を渡り歩きながら彷徨っていたら──
ついに、念願の 女監督官 の家へたどり着いた。
Fallout76を出てアパラチアをさまよった理由?そんなもん、彼女に会いたかったからに決まっている。中年の旅は、恋路と同じで紆余曲折だらけなんだ。
「よく来たわね。さあ、下で話しましょう」その声を聞いた瞬間、心臓がドキッと跳ねた。
ついにオレのアパラチア生活にロマンスが……!と思ったら、地下に降りて話しかけても無反応。Eボタンを押しても反応なし。──え?バグ?ここメインクエストじゃないの……?
恋の芽生え、ゼベスタのバグで終了。マグロ女に興味はない!と自分に言い聞かせつつ、なんでこんなに胸が痛ぇんだろうね。
そのショックの反動で、レイダーとして生きるべきか……?とウジウジ考えながら、今日もアパラチアの荒野でグールやレイダーをバットでぶちのめしている。
一度、スーパーミュータントの集団が占領する場所を見つけて突撃したが、さすがに無謀で返り討ち。もっとスティムパックといい武器が欲しい。防御力も攻撃力も足りない。シシカバブ……ウェルカム! それくらいの火力がほしいのだ。
そして今日も恋も装備も行方不明のまま、中年のオレはアパラチアをあてもなく彷徨うのであった。

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