採用面接には、一定の嘘が必ずつきまとうものだと私は思っています。
企業側にも求職者の側にも一定の嘘があるのではないでしょうか。
そういえば私が新卒で二次面接まで行った企業の人事部長は、採用面接を「化かし合い」だと言っていました。企業側が良いと思って採用した人が、企業風土に合っていなかったことが、過去にあったということらしいです。
…それゆえに、企業はきつねやたぬきなどの化かす畜生ではなく人間を採用したい、たぶんストレートに言えばそういう意味だと勝手に解釈しております。そして、企業側もいい顔をしているという意味で求職者を化かしているというわけです。
採用サイドから見れば、使えないやつをいかに弾くかということですから…言ってみれば当たり前なのかもしれませんが。。。
しかし、中身のない人間、不埒な人間、不真面目な人間…人間の本質が何なのかわかりませんが、そういったものを覆い隠して「演技」ができる人が最上級の人であるということを認めているようにも聞こえるので、なんだか変な気がします。
私は何も…素の自分を見てもらいたい、なんてことを主張したいわけではありません。
しかし、別に礼儀正しさや受け答えに問題がないとか、表情が生き生きしていて、「この人と仕事がしたい!」と思ってもらえるような人格があることは、何も「化かす」ことではないと思うのです。
最初その会社で働きたいと思っていましたが「あ、なんか違うかも」と、自分の中の熱量がスーッと冷めていくのが、よくわかりました…私の「化かし合い」の定義が間違っているのか定かではありませんが。
気持ちが悪い言葉だなという感想は、今も変わっていません。
別に「演技」がうまいなら、彼らにとって犬畜生でも餓鬼でも何でもよいのでしょう。
その人の本質的なところに採用者は興味がないと言い切るのはいかがなものか。
人事部長の言葉選びは、そもそも問題があると思います。
「嫌だな」そういうインスピレーションというか直感したら、その直感に従ったほうが、結果的に採用側も求職者本人もお互いに幸せになれると思います。
化かして入るのも、化かされて入られるのも、そこに目的があるならともかく、ないならお互いにアンマッチで不幸になるだけでしょう。
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