REITは50%も価格が下落することもあるから現物に共同出資したほうが安全…みたいなことを言う人がいますが、はっきり言って「意味不明」です。表題の話は言ってみれば当たり前なので金融のプロとかでなくとも感覚的に分かる話なのですが…私たちは株式市場でもREIT市場でも目に見えて価額が分かるから過敏反応してしまうに過ぎません。また、コロナショックで下がったのは主にホテルで、次いでオフィス。その次に住宅地や商業施設で、物流センターなどの価値はあまり下がっていません。そのへんは理由がはっきりしているので、REIT指数だけ見てガクブルするのは違うかなと思います。(インバウンドの特需に浮かれていたホテル系REITだけが痛い目にあったに過ぎずREITそのものが危うい感じは微塵もしません)本来、あらゆる価値は変動しています。不動産だろうが人的資本だろうが、おおよそ算定可能なものは値段がつけられて日々変動しているに過ぎません。ふつうに考えれば分かることで、分かっている人もいるのですが…不動産投資系のブログを書いている人の記事を見ていると「頭良さそうなことを書いているのに嘘ばっか」だなとよく思います。
…考えても見てください。
分かりやすく不動産という資産にしましょう。都内に現在10億円の鉄筋コンクリート造のマンションがあったとします。免震構造で耐震基準がばっちしな建物です。首都直下型地震が起きました。その直後に9億円で買う人が見つかりますか?まず見つからないでしょう。8億円だったら買う人がいるかもしれません。5億ならリスク承知で買うお金持ちがいるかもしれません。しかし、二次災害として火事が起きたり都内で暴動が起きたりどっかの原発から放射能が漏れたりするかもしれません。しかし、10日ぐらいして周囲の住環境がそこまでひどいことになっていないことが分かったら9億円で買う人が出てくるかもしれません。その後、数ヶ月で国や都の再生事業がはじまり、地方に避難していた人が都内に戻ってきて活気が出てきて、賃貸の価格が上昇しはじめました。すると震災前よりも高い10億5千万でも買い手がみつかる状態になるのかもしれません。目に見えやすいチャートがないだけで定量的に測りにくいですが不動産はコロナショックで変動していたのです。
むしろ、人的資本のほうがもっと変動します。
時給1200円のバイトが100名募集しておりました。物流センターが縮小して30名が首になりました。物流センターの売上は-30%ですが、バイトしていた30名は明日から無一文で就活(というかバイト求人に応募)しないといけません。一個人の収入という観点からは不動産以上にリスクヘッジが難しいと言えるでしょう。正社員であれば不動産と違って失業保険を使用して転職もしやすいかもしれませんが、それでも収入が増える見込みがなく自分(個人)に過剰投資する方がずっと危険ではないでしょうか。
結論
・非上場不動産や人的資本の価額が見えにくいことを理由に株式やREITの価値下落に怯えることはナンセンスです。
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