大げさな言い方になるが、20年前に基本情報技術者試験を取得した。その後、応用情報技術者試験を何度か受けているが、いまだに合格できていない。正確に何回かは覚えていないが、真面目に学習した時期と、そうでない時期を含めて、おそらく5回前後は受験していると思う。
それでも、試験に受からなくても仕事はなんとか続けられている。そう考えると、資格と仕事のでき・できないは、必ずしも強く結びついていないのかもしれない。まあ、落ち続けている自分がそんなことを言っていいのかは分からないけれど。
最近は、資格取得に向けた学習意欲そのものが落ちている。中年になるとそんなものなのかもしれないが、とはいえ「座学でまったく勉強しない」というのも、それはそれでまずい気がしている。
応用情報技術者試験について言えば、国語力と瞬間的な記憶力があれば、計算問題などをほぼスキップして合格できてしまう構造がある。そうなると、この資格はいったい「何の能力」を評価しているのだろうか、という疑問が残る。企業側から見ても、人材評価がしづらい資格だった、という話を聞いたことがある。
偏差値50くらいの能力があり、無難に働いてくれそうな人材であることは証明できる。しかし、何かに突出しているかどうかは分からない。そういう「可もなく不可もない」人を量産する資格になってしまっているのではないか。そうした事情もあって、IPAは資格体系を、より運用しやすい形に再編しようとしているのだろう。
どうせなら、試験費用の低価格化も目指してほしい。あるいは、ゲーム性を高めて、高度資格をすべてコンプリートしたら表彰される、といったアドバンテージがあっても面白い。資格を持つ事業所の税金が安くなる、などはさすがに無理だろうが、それくらいDX人材育成を前面に押し出す施策があってもいいのではないかと思う。
特別に学習しているわけではないが、2026年にCBT形式へ移行し、それ以降試験内容が変わるとなると、「では何を勉強すればいいのか?」という疑問が出てくる。きちんと学習計画を立て、キャリアを見据えて受験している人ほど、「このままの学習でいいのか」と不安になるのではないだろうか。
応用情報が廃止され、高度資格のみになるのであれば、勉強範囲や内容自体は大きく変わらないのかもしれない。ただ、雑多な午前問題の出題傾向は、変わってくる可能性があると勝手に予想している。
たとえば、監査やマネジメントが専門の人に対して、「このソフトウェアの性質を問う問題、本当に必要か?」と思うことがよくある。逆に、ソフトウェア開発者に対して、監査業務の細かい事情を深く理解しておく必要があるのか、という疑問もある。もちろん、知っていれば他部門とのコミュニケーションがスムーズになる、という利点はあるのだろうけれど。
午前問題は、難解な知識を問うというより、テクニックで解かせる問題が多い。しかし、浅い知識で対処できるような内容ではなく、もっと専門性の「本質」を問う形にしないといけないのではないか、と思うことが多い。
そういう意味では、現在の応用情報技術者試験や高度試験の午前問題は、あまりにも雑多すぎる印象がある。たとえば、ネットワークスペシャリスト試験の過去問(午前は応用情報と共通だが)に、アムダールの法則――並列処理の向上比率を表す関数――をデバッグさせる問題があった。あれはソフトウェア開発者には重要だが、他分野の人には不要ではないか、と感じる。
もっとも、CPUで処理効率を上げることの限界を知っておく、という意味では、誰にとっても無駄ではない知識なのかもしれないが……。そのあたり、どうなのだろうか。

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