西山ファーム事件とは、「果物をクレジットカード購入すると、1.5~3%の利息がついて戻って来る」という詐欺まがい事件のことがあったので自分事としてまとめてみた。
詐欺事件は、こんなのに騙されるバカがいる!、という捉え方ではなく、自分だったらどう騙されていたか?という視点で見ることが大切だと思います。
なお、この事件の被害者は930人で合計133億円も集めたらしい。犯人の山崎祐輔容疑者はインドネシアに逃げていたところをつかまった。(2024年)
…これだけ聞くと騙されないだろ的な話ではあるのだが、SNS時代ゆえの仕掛けというか騙されてしまう心理的要因がいろいろあったみたいだ↓
被害者が騙されてしまった理由
「クレカ還元」という“よくある仕組み”に聞こえた
クレジットカードのポイント還元のように感じられ、怪しく見えにくかった。
少額から始められ、心理的ハードルが低かった
数千円〜数万円の小さな金額で試せて、損する感覚が薄かった。
実際に果物を販売していた時期があり、真っ当に見えた
完全な架空ビジネスではなく、実店舗・実商品が存在した。
インフルエンサー(紗栄子など)による宣伝で信頼が高まった
“影響力のある人が紹介している”という効果は非常に強い。
SNSに投稿すると特典がもらえる“仕事のような仕組み”があった
投稿行為が“作業”に見えたため、ビジネスとして成立していると錯覚した。
お金を入れると枠が増えて得するように見える構造
入れた分だけ還元枠が増えるため、途中でやめにくくなった。
投稿者が多く見えて“みんなやってる”という安心感が生まれた
口コミ・投稿が増えるほど信頼性が高まる“社会的証明”が働いた。
自分自身が宣伝側になり、詐欺と認めづらくなる
一度投稿すると後戻りしづらく、合理化が起きる。
最初は本当に商品が届き、還元も行われていた
“最初だけ本物”という詐欺特有の“撒き餌”効果で信頼が急増した。
還元日・枠増加・限定性などで“急かす心理操作”があった
「還元日が近い」「今入れると枠が上がる」「すぐ埋まる」といった煽りで冷静な判断が奪われた。
まとめ
クレジットカード枠やSNS投稿を利用した“楽して稼げる系”の話は、たとえ少額でも決して手を出してはいけない。「みんなやっている」「有名な人が薦めている」といった言葉は、安心材料どころかむしろ危険である。結局、世の中に“うまい話”は存在しないという前提を忘れないことが大切だ。
今回のケースは、被害者の多くは20〜30代。仕組みは少し複雑な感じがするので無思考になり、なんとなく始めたら儲かった(もしくは儲かった人がいる)ということで一歩踏み込むと抜けられなくなるトラップになっているのが、いかにも現代的な詐欺スキームです。
しかし、労働もリスクも伴わないお金の増え方なんてありえません。魅力的に見える話ほど、まずは疑ってかかるべきでしょう。

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