サッポロサワー「水彩1984」というお酒を飲んでいる。
ホワイトブランデー(ぶどうの蒸留酒)割りの缶チューハイで、アルコール度数は7%。群青色の珍しいパッケージに惹かれて手に取った。
1984年という数字を見ると、ちょうど自分の生まれた年だなと思う。そんな昔からあったのに、これまで存在を知らなかったお酒だ。ジョージ・オーウェルの『1984年』も同じで、名前は有名でも、実際にちゃんと触れる機会は意外と少ない。
味は、ぶどうのフルーティさがありつつ、いい意味で少しエグみのある甘さ。ただし甘ったるくはなく、全体としては控えめ。シャンパンや梅酒、果実酒が好きな人には好まれそうな方向性だと思う。飽きない味ではあるけれど、何杯も勢いよく飲むタイプのお酒ではない気もする。
どっかで飲んだことある味だが…少しジーマに似ている感じもある。あえて言うなら「味の薄いジーマ」「香りのないジントニック」。苦みのないジンベースのなにかと言ってもいいかも。ジントニックってほぼ味はトニックウォーターなので、蒸留酒+トニックウォーターもしくは安っぽいジンジャエールでこの味になる気がしてきた。
クセのないハイボールを期待して買ったので、正直なところ予想とは違ったが、ホワイトブランデーを使っていると書いているのを読まない私が悪い。でも味はこれはこれで悪くない。「これが一番うまい!」と言う人はたぶんいないだろうが、期待して飲んで評価が低いのもよくわかる気はする。ストレートにまずいというほどまずさはなくて、悪い意味で特徴がなく、刺さらない人には刺さらない。口コミを見ても「何が美味しいのかわからない」という意見があるが、結局のところ、安価なホワイトブランデーの風味が苦手な人なだけだろう。
そもそも、自分自身も「これは美味しい」と言い切れるブランデーを知らない。ある程度熟成したものなら美味しそうな気はしているが、そこに踏み込む勇気がまだない。
もし「これぞ」というブランデーがあるなら、シロやノーマルに限らず、一度は飲んでみたい。ただ、日本酒専門店やワイン専門店、焼酎専門店はよく見かけるのに、ブランデー専門店はほとんど思い浮かばない。探せばあるのだろうが、意識しないと出会えない存在。
調べてみると、新宿に「BAR B&F.」というフルーツブランデー専門店があるらしい。さすが新宿、何でもある。ちなみに、ウイスキーとブランデーと泡盛の飲み方は、個人的にはストレート一択だと思っている。

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