戯言|『庭の話』…共同体は地獄である!!自分だけの庭を作ろう

徒然草2.0

これ、おもしろい。庭の話↓

【一人になってください】批評家・宇野常寛「庭の話」

庭の第一条件ーー
人間以外の事物とコミュニケーションを取る場所であること
宇野常寛『庭の話』

この本は、機会があれば読んでみたいと思っている。どうやら、私だけが強く思っていたわけではなく、みんな薄々気づいていたことを、宇野常寛(うのつねひろ)は誤魔化さずに真正面からまた社会問題としてどう扱うべきかについて論じているらしい。私が日頃モヤモヤしていた問題を、はっきり言語化してくれている人がいた、という安心感がある本であるらしい。

近ごろ、有名で影響力のある人が「共同体ビジネス」的なものを始めると、一気に冷めてしまうことが多い。言葉にうまくできないが、とにかく“気持ち悪い”と感じる。気持ち悪いと思うなら近づかなければいいだけの話ではあるし、それを批判しても、結局は「友達いないやつの嫉妬」みたいに見られる気がして黙っているしかない。だから、仕方なく距離を置く意味で「孤独でいい」なんて思ってみたりするが、別に孤独が好きなわけではない。ただ、共同体は疲れるだけだ。

そもそも現代は、何か情報を得ようとすると、どこかしら「コミューン前提」の仕組みにぶつかる気がする。だから私は、本とYouTubeを行き来して、MyBlogに適当なことを書く、というスタンスに落ち着いた。デジタル資本主義のなかで、ただひっそり生きていたいだけの人間でも、妙な“人間集団”と遭遇してしまう。そのときに感じる、“一言も言えない気持ち悪さ”がやっぱりある。

とはいえ、国家、地域、家族…あらゆるレベルのコミューンを完全無視して生きるのは難しいし、それが素晴らしいわけでもないはずだ。きっと、人によって「ちょうどいい距離」のグラデーションがある。私の場合は基本的に、ただそこから少し離れていたいだけ。でも完全に離れるのは嫌であるらしい。1%ぐらいの細いつながりは残していたい。贅沢な悩みだろうか。…それを他人に説明しようとすると、なぜかうまく言語化できない。めんどうくさいやつなだけなのはわかっている。

擬似的なサブスクリプション型コミューンなら、月替わりでいろいろ覗いてみるのも面白いかもしれない(孤独を紛らわすためではなく、研究目的に近いがまあそういう目的のあるやつは、すぐに周囲にも分かってしまうし、迷惑な部外者でしかないだろう)。友達がほしいわけではないが、できてもいいかな、という薄い期待がないわけでもない。

思想家っぽい人たち――宮台真司、内田樹、東浩紀、岡田斗司夫……みんな何らかの共同体ビジネスをやっている。ここでいう共同体ビジネスとは、お金をとるかどうかに関係なく、自分がちょうどよい位置に立てるよう仕掛けをつくり、リアルあるいはデジタルで“人の集まる場”を提供することだ。ただのライブ配信でも、リスナーの意見を拾いながら喋っていたら、それはもう立派なコミューンだ。

私も一時期、「そういうことをやろうかな?」と思ったことがある。いまも似たようなことをしているのかもしれない。ただ、やるなら相当距離を置いてやると思う。1対1なら気楽でいいが、集団になると、やはり何か怖いものがある。

そういえば、たぬかな――弱者男性にストレートな物言いをする女性――が結婚したという話題があった。あの界隈では“姫”かもしれないが、アイドル枠ではないので、ファンは問題視せず祝福ムードだろう。たぬかな本人もファンも、恋愛ビジネスで金を巻き上げているつもりはないのだろう。そこは別に構わないのだが、外側から見ればやはり“体のいい嘘を内包したコミューン”だと私は思う。事実、その嘘には耐えられないという声をみかけた。結局、そこには嘘があったわけだ。嘘に金を払うか払わないかはともかく、虚構だと理解しつつも居心地の良さや仲間意識のために金を投じる――それは分かるし、否定する気もない。けれど、私はどこかで「バカバカしい」と感じてしまう。本来、そんなものを擬似的にこしらえなくても生きていけるはずなのに、それでも人は擬似的に共同体を求めてしまう。

私はシンプルに、虚構の馴れ合いには距離を置きたいのかな。

……と言っても、「ゲームや本も虚構だろ?」「ソフトウェアだって虚構だろ?」と言われると苦しい。どうやら私の場合、“人間が色濃く入り込んだ虚構”に吐き気を感じやすいらしい。

無機質なAI生成動画を見て、これは良い悪いと考えている方がよほど楽しい。そして、それを言葉にする場所としてブログがある。これも一種の“庭”なのだろう。完全にひとりではないが、ほぼひとりで成立する場所。つまるところ「庭」そんな場所を確保することこそ、現代人にとって急務なのかもしれない。

徒然草2.0
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