戯言|加工肉を食べるとガンになるか?

徒然草2.0

WHOなどの発表により、加工肉を食べると大腸がんのリスクが高まることは、広く知られるようになった。

しかし、なぜ加工肉が大腸がんと関係すると考えられているのだろうか。

今のところ、原因が一つに特定されているわけではないようだ。

その中で、有力な原因の一つとされているのが亜硝酸ナトリウムである。

これは、肉をおいしそうな色に見せるための発色剤として使われている。

この成分が、肉に含まれるアミンという物質と反応し、ニトロソアミン類という発がん性のある化合物を生じることがあると言われている。これが細胞内のDNAを傷つける可能性があるという。

ただし、亜硝酸ナトリウムには、ボツリヌス菌という食中毒の原因となる菌の発生を防ぐ役割もあり、一概に悪いものとは言い切れない面もある。

加工肉には、そのほかにも、食感や形を保ち、大量生産を可能にするために、卵・大豆・乳などのタンパク質が加えられることがある。そのため、カゼインナトリウムやリン酸塩、調味料(アミノ酸)などが使われる場合もある。

また、酸化を防ぐ目的でビタミンCが加えられることもあるが、これはニトロソアミンの生成を抑える方向に働くとされている。

人が加えた添加物だけでなく、赤肉そのものにも注意すべき点がある。赤肉に含まれるヘム鉄は、体の中で脂質の酸化を進め、発がん性をもつ可能性のある物質を生じやすくすることが知られている。
とはいえ、鉄分は人にとって必要な栄養素であり、これを単純に悪いものとして扱うのも、少し違和感がある。

また、肉を高温で焼くことで、ヘテロサイクリックアミン多環芳香族炭化水素といった、発がん性が指摘されている物質が生まれることも分かっている。ただ、これは「焼いた肉を食べることには、ある程度のリスクが伴う」という理解にとどめておいてもよいのかもしれない。

……こうした理由から、なるべく発色剤を使っていない加工肉を選ぶ人も増えている。実際、発色剤を控えることで、一部のリスクは下げられる可能性がある。

ときどき、「動物が生前に受けたストレスが、人の体に悪い影響を与える」といった、ややスピリチュアルな考え方をする人もいる。これも、何が原因なのかがはっきり分かっていないがゆえに、生まれてくる仮説の一つなのだろう。

とはいえ、加工肉は保存がきき、調理も簡単で、私たちの生活に深く根付いている食品である。ウインナーやハム、ソーセージ、ベーコンなどを、まったく食べない日が続くというのも、なかなか考えにくい。

意識すれば加工肉を避ける生活も可能ではあるが、それを頑なに守るべきかどうかについては、簡単に答えが出る問題ではない。

「絶対に加工肉は食べない」と決めるよりも、量や回数に気をつけながら、無理のない付き合い方を考えることが、一つの選択と言えるのではないだろうか。

徒然草2.0
スポンサーリンク
シェアする
gomiryoをフォローする
ごみぶろぐ

コメント

タイトルとURLをコピーしました