戯言|出産費用無償化→106万円の壁を撤廃で少子化加速

徒然草2.0

出産費用無償化→106万円の壁を撤廃っていう話を厚労省が矢継ぎ早に進めているけどさ、そもそも106万円の壁を撤廃って少子化につながるんじゃね?という個人的な観点+懸念について書いてみました。

106万円の壁撤廃と少子化対策に対する違和感

結論から言えば、厚生労働省の少子化対策は「その場しのぎ」感が否めません。出産費用の無償化や、いわゆる「106万円の壁」の撤廃も厚労省の意向で進められているようですが、果たしてそれが本当に少子化の解決につながるのか、まず整理してみたいと思います。

出産費用無償化の効果は限定的

「出産費用が無償化されたから、子どもを産もう」と考える人がまったくいないとは言いません。しかし、出産をめぐる課題は出産費用(=イニシャルコスト)だけではありません。むしろ、子育てにかかる継続的な費用(=ランニングコスト)や、そもそも結婚する人自体が減っているという問題の方が本質的です。

つまり、「出産費用の無償化」は、少子化対策としてゼロではないが、ボトルネック(結婚・家庭形成)を解消せず、全体最適を無視している点で、効果的なアプローチとは言い難いのです。

106万円の壁撤廃とその影響

次に、「106万円の壁」についてです。これは、パートやアルバイトで働く人の年収が106万円を超えると、社会保険(健康保険・厚生年金)への加入義務が生じるという仕組みです。この制限が、2035年までに完全撤廃される予定です。

撤廃によって「年収が106万円を超えても社会保険料を支払わなくていい」という意味に聞こえがちですが、実際はそうではありません。撤廃後も以下のような条件が残ります:

  • 週20時間以上働く

  • 学生でない

  • 一定規模以上の企業に勤める など

つまり、実質的には多くのパート・アルバイトが社会保険に加入せざるを得ない状況になるということです。

「壁の撤廃」がもたらす副作用

この変化がもたらすのは、単なる制度変更ではなく、家庭内労働の否定とも受け取れる社会的メッセージです。たとえば、主婦や高齢者が「少しだけ働いて家計を助ける」という働き方が難しくなります。扶養の範囲で働くという選択肢が減ることで、家族内での労働分担(子育て、介護、家事など)に影響が出るでしょう。

結果として、「家族を形成し、家庭内労働を支え合うメリット」が薄れ、結婚や出産をためらわせる要因にもなりかねません。つまり、社会保険制度の見直しが、間接的に少子化を助長するリスクを孕んでいるのです。

厚労省としては、「長く働けば将来の年金が増えるからメリットがある」「労働にメリハリを」という意図があるのでしょう。しかし、実際には、これまでの生活スタイルの変更を余儀なくされ、今後家庭を築こうとする人たちにとっては、家庭内で過ごす時間を削って労働を続けるよう求められる社会構造を強化しているとも言えます。

これは本当に「社会福祉の向上」なのか?

こうした制度変更が「社会の仕組みとして本当に望ましいのか?」という疑問は拭えません。家族のあり方が一方的に変えられ、息苦しさが増すように感じるのは私だけでしょうか。

本来、社会福祉とは「社会で生活することを少しでも楽にする」方向に働くべきです。それにもかかわらず、今回の変更は人々に新たな負担を強いる方向に進んでいるように思えます。

SNS(特にX)を見ても、「106万円の壁撤廃が少子化に悪影響を及ぼす」という視点で論じる人は一部にいるものの、それほど多くはありません。おそらく、多くの人が少子化の原因を「労働制度」や「家庭内労働の変化」と結びつけて考えていないからでしょう。

まとめ

少子化対策は、単に制度を変えるだけでなく、「人が生きやすい社会構造」をどう作るかという視点が不可欠です。目先の数値や制度にとらわれず、結婚・出産・家庭形成がしやすい社会とは何かを根本から問い直す必要があるのではないでしょうか。

徒然草2.0
スポンサーリンク
シェアする
gomiryoをフォローする
ごみぶろぐ

コメント

タイトルとURLをコピーしました