戯言|何から手をつけたら良いかわからない状態とは、まずどうすべきか?という問いを立てて計画を立てることだよな。

徒然草2.0

「何から手をつけたら良いかわからない状態とは、なんでも良いから手をつけた方が良い状態のことである」と『つぶやきのクリーム』(森博嗣)に書いてあったんだけど、それって本当にそうなんだろうか。

部屋の片付けみたいな単純な作業なら、たしかに当てはまりそうだ。とりあえず目の前のゴミを捨てていけば、少しずつきれいになっていく。そういうときは「なんでもいいから手をつける」が正解だろう。

でも、段取りが必要な作業の場合はどうだろう。行き当たりばったりで始めると、途中で詰むか、まったく前に進めなくなることもある。

例えば旅行。計画を立てずに弾丸で行ったら、目的地に着かないか、帰り道が分からないか、泊まるところがないか、あるいはお金が尽きるかもしれない。

プログラミングでも同じで、バグを潰すときにしらみつぶしで探すという方法もあるけれど、まずは全体を俯瞰して作戦を立てたほうが効率がいい。

経営ならなおさらで、どこでつまずくか、どんなリスクがあるかを事前に考えてマネジメントしなければならない。つまり、結局はケースバイケースということになる。

ただ、クリエイティブな仕事の場合は「とりあえず手を動かす」のが有効な場面も多い。何も思い浮かばないときでも、本を読んだり散歩したり、気分転換をして絵筆を走らせたり、作文用紙に思いつくまま書いたりすれば、少しずつ仕事が進むことがある。

たぶん森博嗣は、作家という立場から「書くこと」に関してこの言葉をつぶやいたのではないだろうか。

彼の言葉は「抽象的で長持ちする」タイプだと言われているけれど、実際にはけっこう前提条件のあるシチュエーションでしか成立しないこともある。だから、ちょっと詰めが甘い気もする。

とはいえ、本当に「何をしたらいいか分からない」状態の人に、「まず計画を立てろ」と言っても無理がある。計画とは、ある程度状況を理解している人が立てるものだからだ。そう考えると、結局はその人が分かる範囲で、手をつけられるところから始めるしかないのかもしれない。

でもそれは非効率でもある。だからやっぱり計画って大事だな、とも思う。

要するに、何かを解決しようとするときには、それが「見切り発車でも結果が出るタイプの問題」なのか、「事前に計画を立てたほうが確実な問題」なのかをまず見極めたほうがいい。前者なら、手元のTODOをひとつずつ潰していけばいい。後者なら、分かる人に頼むのも立派な選択だ。

もし、そんなことで悩んでいる人がいたら──ちょっとクソバイスかもしれないけど、そうアドバイスする。

徒然草2.0
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