さきに結論から言うと、手放しで竹中平蔵のベーシックインカム（以下、竹中式BC）を希望していません。というかダメな仕組みだと思います。竹中式BCを一部の人が「騙し討ち」と言っているように、そもそもこれはベーシックインカムでもなんでもなく、ただ行政の生産性向上すなわち効率化を考えた改革案に過ぎない。これをそのまま導入すると、今の生活保護と比べると貧しい人が増えるし日本国民全体の幸福量が下がる。最悪の一歩手前レベルの残念な提案だと思います。なお、竹中平蔵のが唱えるベーシックインカムの要件は以下の通り。
・すべての国民に月７万円を支給する。
・所得が一定以上の時は返却する。
竹中式BCのメリットをあげるとするならば、生活保護が必要だけれど受けられず困窮するまじめな人にも一定の金額が行き渡るということ。
まったく所得がない人を想定するとすれば、８４万円。とても生活できるレベルじゃないので他に所得を年間＋１００万円する必要があります。独り身の人がもらえる生活保護費は月１７万ぐらいらしいので、それと比べても半額以下でとても生活できません。共同生活すればなんとかやっていけるかもしれないレベル。
まったくもって、現実的ではありません。経済的強者の理論にほかなりません。でも、もし貰える人にも少しでも支援が行く仕組みになる可能性があるなら、それはそれでいいかもしれないとふと思いました。
投資で得た配当所得を給与所得として別にカウントできるのならば、もしかしたらセミFIRE（？）しやすくなる可能性もあります。ただそういうある種のズルさは制度設計の時にしっかり潰されると思います。この竹中平蔵式ベーシックインカム導入の条件として「マイナンバーと銀行の講座を紐づけて所得を把握する」ことが考えられており、つまるところ国税庁の目に止まらぬ取引利益がないことが前提になっています。
税制ならびにセーフティネットとしては正しい制度かもしれませんが、やはり息が詰まる用な制度ではあるような気がしてはなりません。救済の制度で息が詰まるとは何だかやるせないですね。
また、月7万円というのも別に多くありません。どうせ低所得者でない人から回収するなら月10万円とか月15万円とかでもよかったはずなのに、著しく少なくもなく多くもない７万円なのだろうか？この微妙な価格設定に悪意を感じます。これが3万円とか5万円ならば選挙前に行う公明党の給付金のバラマキを行うパフォーマンスであり、10万円にするとたかすぎて試算が合わなくなる。だから平均をとって7万円にしてみたということなのでしょう。いかにも頭が良さそうなだけの人が考え出しそうな設定値ではないでしょうか。たたき台にしたって、お粗末な匂いがいたします。
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