相対的貧困という言葉がある。OECD(経済協力開発機構)が勝手に決めた指標で、等価可処分所得の中央値よりも半分に満たない家庭のことを指して”相対的貧困”と呼ぶらしい。2017年の日本の相対的貧困率はG7(先進国という意味で)2位だそうで、まーまー高いらしい。1位はアメリカ。
…そんな話を聞くととりあえず「日本は相対的貧困率が高いので問題だ!」と叫び立てたくなるのだが、よくよくその気持を抑えて考えてみると…これって果たして問題なのだろうか?と思うこともあったりするので、ぼやいてみる。
幸せは相対的なものではなく絶対的なものだ!という話であれば、多くの人が賛同するような気がいたしますが、なぜ貧困の場合は相対的なものとして捉えなきゃならないんでしょうか???
…ちなみに雑に言えば、年収200万円代の家庭を相対的貧困と言うのだが…確かに地域差はあれどこれは母子の家庭だとしても、なかなかきついものがあるのは重々承知です。でも、相対的貧困が高いことが即問題だっ!と言う前に、そう言えるものなのかどうなのかは、考えてみてもいいのではないだろうか。
というのも…たしかに教育にお金をかけただけ、成果が出やすくなることは言うまでもないことです。お金持ちの子は、お金持ちになりやすいと思う。この傾向があることは統計的にも否定はできない。だが、あくまで統計に過ぎないとも言える。
勉強で身を立てることも今や効率的にスマートにやる時代なのだと思う。学習とは効率性が重要。しかし、そこに親が金をつっこんだから、うまくいくとも限らないところもあるだろう。知能は遺伝するところもある。また、貧困は遺伝するところもある(血の問題ではなく、経済的な問題の比喩だろう)。だが、低コストにして最大限の結果を得ることが投資の王道だとも言えるのではないだろうか。また教育も投資のように経済的に成果を問われる対象として語られるではないか。だから、低コストにして最大のリターンを得られる教育というのを見つけ出さないといけないのでは…ていうか、見つけられるのでは?と思う節が私にはある。
例えば、youtubeなんかにもプロが作った動画がいっぱいある…有料のものに薦められることもあるが、せいぜい月数千円で見れるだろう。かなり質の高い授業の映像が安価で見られる。あとは分からないところを解説してくれる先生を時給で雇えば事が足りる。やたら高い授業料を支払って塾や予備校へ行くよりも、低コストで成果を上げる方法っていうのは、他にあるんじゃないのかな???などと…曲がりなりにも人にプログラミングというかITスキルの方法論なんかを伝えていると思うのですが…違うんでしょうかね。
ビリギャルの先生は「中学受験なしでも、子どもの“稼ぐ力”は身に付けられる。むしろ受験する年齢は遅いほうがよい」と述べている。自分が関わってきた若い人の中にも…自分が若い時よりも遥かに優秀であると感じる一方で、自主性というものが欠けている人に出会うことがある。
…言ってはあれだが、多少の知性に難があっても、前に進む力があればどこかで生きていけるもの…と思うのだ。あとは、最低限の行動力があれば、どうにか生きていける。あと私自身にそういうものを見せなくても(そういう人も多々いると思うのだ)環境が行動力を要請すればそれにいくらかは応えられるんだとは思うんだけど…行動力の無さを垣間見てしまい、これでだいじょうぶか?と心配になる人も中にはいる。
年寄りの杞憂ならそれはそれでいいのだが…もちろん行動する力や知能が揃っていることが望ましいけれど、知能が高いだけの人というのも中にはいる。其れはその人の特性だし、そういう人が活躍するばを選んであげることも大切だと思う(自主性がスキルなのか性格なのか分からない部分がある)…これまで、大企業に務めている人が「頭がいいだけでつかえないやつ」みたいなことを言う意味がよく分からなかったのですが、よく分かるようになってきた。
というわけで、相対的貧困から低コスト教育法の話になってしまいましたが、国家や社会福祉の観点から批判的に捉えるよりも、一個人として教育投資を最大化する作戦を立てる方が賢いのではないかな?と思った次第です。
私自身がITを仕事に選んだ理由は色々ありますが「食べていくのに困らなそう」だったからであって、その狙いは今のところ大きく外れていない。ほんとうはもう少しプラスオンするスキルを付けるべきだったと思いますが(というか、残された時間そういうことを余裕があったらしたいが)、そういった取り組みを10代の頃からやっておけば、そこそこ無難に生きられるのでは?という提言が、先行して生きる者としてこれから生きていく人に送る言葉になるのかな…などと考えています。
とくにこれからの日本では、経済的に上か下かに今後は別れていくことは必至であって「貧しいながらも豊かに暮らす」が日本のテーマになる気がしています。(これは、その序論です。
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