ネタバレあり。
ナウシカ以前の宮崎駿の作品としてどこかに「シュナの旅」が上がっていたので読んでみたが…あらすじ通り。貧しい谷の国の王子シュナが国民が飢えないよう、黄金の種を探し求める冒険。人間を超越した?不気味な神人から黄金の種を奪い取るも頭がおかしくなってしまう。道中でシュナが助けたテラという少女の介抱により、奇跡的にシュナが正気を取り戻したというところで話が終わる。その当時のよくあるSFのオマージュ的な位置づけにでもあるのだろう。あとは、風の谷のナウシカのエピローグでもある。
ただこれだけ単体で見ると…ナウシカともののけ姫のアシタカ王伝説を足して2で割って薄めたような話…であった。現代のある意味で完成度が上がった物語に慣れてしまったせいだ(たとえばメイドインアビスと比較してしまう自分がいる)が、特に真新しい感じはせずジブリ好きや宮崎駿好きを公言したいなら読んでおかないといけない話みたいなところではある。
残酷な話だと聞いていたが、そうでもない。
あえて残酷なところをクローズアップするとすれば神人が黄金の種を作る材料に人買いから得た人間を使っているところで、人間が人間を喰っているというところにあるのだが、そこが宮崎駿の絶望の頂点になると言っても似たような話はいっぱいあるしなー。
事前に勉強しておかないとシュナがテラを助けテラがシュナを助ける「いい話」で終わっちゃうけど、まあそういう解釈で読むのが普通だし、それはそれでいいじゃね?という気がした。
戦後の日本人にはある種の罪悪感があったが、今の私達が共有するには難しい感情だろう。
…で、読んで少し後から気づいたが、黄金の実の”正体”を知ったうえでシュナとテラは風の谷に持ち帰る→風の谷のナウシカに話がつながるというわけね。ここはおさえておかないといけないポイント?かもしれない。というわけで赤文字にしておきました。
…そういえば、うちにDVDがあるのにゲド戦記を見ていない。ついでに言えばマーニーも見ていない。三丁目の夕日も見ていない。これではジブリを語れない。…まあ、それはどうでもいいけど。
というわけで色々と散々言ったけど、ジブリというか宮崎駿をもう少し研究するつもりで舐め回してみると、原点にシュナの旅があると分かってくるのは確かだ。
そういう意味では大変面白いはずです。
ただ、なんでだろう?パンダコパンダを見た時ほど感動がないのはなぜか。
たぶん世代的にナウシカにそんなに惹かれるところがないせいかな?わからん。
うちにナウシカの原作があったはずなので、合わせてまた読んだら別の感動があるはず!(了
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