戯言。アウトローと国民年金。

徒然草2.0

年金事務所の前でタカ(仮名)と呼ばれるその男が喚いていた「年金を返せー!」

…彼はいわゆるアウトローだ。

偏見かもしれないが、その人は体のいたるところに入れ墨をいれているので、私は勝手に決めつけている。

入れ墨が何を模しているのか不明ではある。今はタトゥと言うべきかもしれない。

タトゥはどうも軽い言い方な気がするので、言葉としては言わないが入れ墨だと個人的には思っている。

刈り上げた頭側面には、バリアートのラインがくっきり入っている。

朝方の繁華街をフラフラしていたのを見たことがある。

おそらく、よるの仕事で生計をたてているのだろう。

当時は痩せていたが今はふっくらしている。

太りやすい体質で、格闘技で体重をセーブしていたのかもしれない。

何度か格闘技ジムでスパーリングをやったことがあるから、なんとなく体で彼を知っていた。

…けして変な意味ではないが、でもある意味、いきあたりばったりでいろんな相手と格闘技を嗜むのと、性産業で静的なサービスを施すのはどこか似ているのかもしれない。心の交流があるなどと、おセンチな認識しているのは、自分だけかもしれないが。いずれにしても数回の出来事だけで彼のことを良く知っているつもりだった。

同年代だと思うが、たぶんタメではない。年下かもしれないが、年上かもしれない。よく分からないがタメではない気がする。

荒々しい見た目とは裏腹に理知的なファイトスタイルである。

フェイントなどせずガッシリと身構えていい意味でアグレッシブではない。

偏見かもしれないが入れ墨をしているのに、ファイトスタイルが理詰め控えめってギャップだろ。

ギャップ萌え。

…閑話休題。

ま、そんな彼がなぜか街の年金事務所で喚いていた。

微々たる年金でその日暮らししている老人が、何らかの不都合を感じて年金事務所の職員に行き所のない怒りをぶつけるならいざ知らず。

これは一体どういうことか。

事情は知らないが、これもある意味ギャップ萌え…じゃないか。

しかし、まあアウトローの生き方と国民年金は相反するものかもしれない。ただ年金は、平成以降の世代にとってはねずみ講同然。その日ぐらしで短命な人生を歩むものにとって、払い損というよりはお金が減って戻って来る、そうでないにせよ、全く貰えないと分かっているもの。

これは詐欺とか嘘とかいう類の上納金回収システムだ。

フェイントが嫌いな彼にとってもしかしたらもっとも無用な支払いなのかもしれない。

私のようなただたんにケチな感性の人間にはけして理解ができない、彼なりの生き方に反したものではなかったのか。

…などと勝手な期待を膨らましている時点で、きっと私はズレた妄想を膨らましているだけなのだ。

年金事務所でやるべき事があったが、次の機会に回すとしてその場を後にした。

外の冷たい空気を吸って妄想を打ち消したが、

徒然草2.0
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