「どんな商売でもそうでしょうが、辛抱することも仕事のうちだと思います」
桂歌丸『座布団一枚!桂歌丸のわが落語人生』
人にプログラミングを教える仕事をしている。
生徒さんにとって、知識の幅を増やすということは、楽しいこともあるけれど、辛いことも多いものだと心得ている。
すべてが楽しいことなどない。でもすべてが辛くてつまらいこともない。酸いも甘いもあるものだと思う。
それは大人ならば、みんなある程度は知っていることだと思う。教える側の立場で、あえて辛いことなどは、相手が聞きたくない場合もある。
そんなときは何も話さなくてもいいのではないか、と思うこともある。
酸いも甘いも知っている大人だからこそ、遊ぶべき時に心から遊んでもらうほうが心の栄養になる。
現実を忘れたいたいために、趣味で学びたい人がいる。趣味と実益を兼ねているというのは贅沢なことじゃない。
戦略を立てて行動して目標を達成しないといけない時は、現実的な話もしなければならないこともあるが、現状認識はさほど重要ではない。
そのへんは相手の心境や状態の見極めをきちんとしておいたほうがよいと最近よく感じる。
例えば、壁というのは自然に生まれるもので。ぶつかったら迂回するかよじ登るかきめればいい。
道もまたあると思えばあるもの。道がないと言えば道なんてない。
道も壁も結局のところ、その人の心構えの問題というと人の中に問題があるようだが、そう言い切るのが正しい気がする。
辛抱しないといけないこともある。これは一緒になって耐えてみせる他にはない。
プログラミングを教えるという仕事をやってみて私自身も多くのことを学んだし学んでいる最中だが、
もっと継続することで自分自身の確信とものの見方が今以上に判然としてきている。
辞めようと思ったことはないが、避けて通りたくなる時はある。
そんな時は辛抱するときなのだなと心得ている。
プログラミングを学習していて一番やめてほしいと思う生徒さんのマインドは、
「自分には向いていない」と思って心が折れてしまうこと。
こういう人は自分ができない理由を見つけ出したことを自覚していない。
プログラミングを教えるよりも、まず物事への取り組み方というか、辛抱の仕方を伝授しないといけないと思っている。
プログラミングそのものは技術なので人が習得するから簡単である。
慣れない概念操作があるが、そこさえクリアすれば、プログラミングそのものは簡単です。
無駄な辛抱しなくてもいいけれど、しなくちゃいけない辛抱はしないといけない。
そのへんを、いい塩梅にいい頃合いに教えられれば人は自然に育つと思う。
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