鳥類学者のエッセイ。
著書の映画、漫画、特撮、バイク、UMA(未確認動物)などの趣味がかなりの頻度で盛り込まれていて、真面目な鳥の話よりもそっちのほうが気になってしまう。
UMAについて知らない人が読んだら、中南米にチュパカブラがいて、南硫黄島にはツチノコがいて、カッパは標本が残っているから存在して、妖鳥シレーヌは頭に直接翼が生えていて飛行時は首で全身を支えることになるが生物学的にどうなの?(というのは私の個人的な疑問だが)と、余計な疑問が湧いたりしてそっちのほうが気になっちゃう。
最初は面白い喩えだと思っていたが、あまりにも頻出するのでもしかしてこの人は鳥のことを語りたいのではなくて、趣味の方を語りたいのでは?と心配になってくる。本のタイトルのとおり鳥は好きじゃないのか、と思うのは短絡的かもしれないがそんな気がした。
まあ、こんなよく分からないタイトルの本を読むもの好きはそれくらいの著者の趣味ぐらい概ねは知っていることが前提なのかもしれないが、小谷野敦の本を読んでいる時も「学者なのにこんないい加減な表現するのか、読者が戯言を本気にしたらどうするんだろう?」とそのへんの分別のつける部分をいい加減にしている様を目撃して驚いたわけだが、、この本でも同様なものを感じた。
研究者とか学者の仕事は一般人よりも非科学や非生物をしっかり見定めることに社会的な意味があると勝手に思っているというか勝手に要求してしまうところがあるが、そんなこと一般人は百も承知しているだろう?というつもりであるらしいのか、そんな社会的責任なんて知ったことか!(怒)ということなのかもしれない。これが多様性の時代かもしれない。
というわけで鳥以外の知識が沢山身についた(?)あととりあえず離島に行きたい。離島にいった際には小鳥の生態にも気にかけてみたいと思う。人生の暇つぶしに釣りはいいと思うけどバードウォッチングもいいよね。機材にお金かければきりがないと思うけど、双眼鏡1つからはじめられる。なかなか自分の思い通りの映像というか鳥の姿を見るのは難しいと思うけど、だからこそ貴重なベストシーンに巡り合うためにどこまでも研鑽することができる。
というわけで鳥を研究する話とてもおもしろかったです。
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