図書館や本屋さんが好きだ…本がいっぱい並んでいるからだ。
…別にこの記事ではレガシーなのがいいとか懐古主義にひたりたいわけじゃないし(古本屋めぐりとか最近していないが、それはそれで好きだけど)、本屋さんに品出しをしている方には申し訳ないのけど、よくはてなダイアリーなんかで見かける、本屋さんのセンスで平積みしていたり、ジャンルごとに味わいある書架コーナーを設けているのを絶賛する気はあまりない(汗)
ただ意図的にせよ意図せずとも、書籍が背表紙ごとに並んでいる本棚というものが、実は重要なんじゃないだろうか?などと昨日ふとブックオフをさまよっていて思ったのでした。
本というのは表紙よりも背表紙の方が情報の密度が高く設計されています。ようは、副題や内容は表紙を見て判断すればいいので、背表紙には本の顔となるタイトルが必ず書かれていて、それがずらりと並んだ本棚から選んでもらわないといけないということ。別に言わずもがな当たり前ですけどね。つまり、本が選択されるかどうかのオーディションの一次試験は背表紙で決まる。背表紙を見て、よさそうなら手にとって、パラパラとめくられて購入されるし本が読まれる。
アマゾンや楽天で本を選ぶ場合、なぜかその一番重要な背表紙での比較というユーザ体験がないことに今更ながら気がついた。Webの画面を広々と使えるのだから、表紙をそのまま載せればよいのだ。わざわざ背表紙だけを並べる必要がない!と、私達は思い込んではいないだろうか?
同じジャンルの本を背表紙だけ見える状態で本棚にいれそれぞれ比較しながら「どれにしようかな?」と考える本棚が与えてくれるユーザ体験をECサイトは奪ってしまった。本屋で見せられる背表紙比較とは違う軸で出版日やアマゾンレビューを見て中身を少しチェックして本を選んでいる。まあ、これで自分が欲しい本を買えていると多く人は思っているので、それはそれでいいのだが…
背表紙の比較をして「どの本にしようかな?」と想像を掻き立てる”あの感じ”がECサイトにはまったくないということに気づいてしまった。まあ、その感じを楽しんでいる自分がズレているのかもしれないし一般的な人は何にもきっと感じていないのだろうが(汗)自分は本屋で思考がフローしていろいろなアイデアが思いつく至福のひとときなのだ。(この感覚を分かってくれる人がどこかにいるだろうか??)選んでいる時が一番楽しいというのは…いくらか分かってくれる感覚だと思うが。
ジャンルごとに並んだ本の背表紙の文字列が、いろんな情報が無作為に入ってくる感じが好きなのだ。私の場合はその時間に一番知的好奇心が高まる…ECサイトは現実ではないユーザ体験を提供しているが実は現実と同等か現実を超えるユーザ体験をしたいってこともあり得るんじゃなかろうか?というような仮説が成り立つ。
余談だが…日経新聞がWeb版を出しても、紙面で見れるアプリを作っているのは、新聞を視覚化したいという欲求が必ずあるからだ…一面や三面の見出しだけを見て自分の見たいものを見る。新聞そのものは衰退するし、新聞をとっていない家庭は増えているが、リアルな新聞の持つユーザ体験は代えがたいものがあったし、それを完全否定することは難しい…(別に完全否定する必要もない)。
本棚をWebで表現するにはどうすればいいか?
本棚のデザインをそこらへんのUIをデザイナに頼んだら表紙を並べるんだろうな…やめてくれ。ぼくは背表紙フェチなのだ(違う)。。。正確に言えば背表紙の文字列をマトリックス上に詰め込んで欲しい。ただやはり文字情報だけではなくフォントや文字のサイズも立派な資格情報だからやはりリアル本棚を目の前にいっぱい広げたい。数百冊規模の背表紙が目の前に広がっている感じを演出したい…とやるとどうやるのが現実的か?
楽をするならば少しグレーというかモラルに反する気もするが、、図書館や本屋などの書籍を撮影して画像を取り込み、画面にリンクを貼ってしまうという手がありえるだろう。端的に書籍の表の情報はWebで集められるが背表紙の情報を集めるのは本屋の本棚の画像を使うほうが早いだろう。
理想を言えば本屋の棚の背表紙を画像解析して…
1.背表紙ごとに画像を自動で個々の画像ファイルとして切り分ける。
2.背表紙の画像を画像解析してテキストを抽出する。
3.画像から抽出したテキストを、書籍データベース(どっかから取得する)の書籍タイトルと紐付ける。
4.背表紙画像と書籍をジャンルごとに並べてデジタル本棚を生成する。
みたいなプロセスが必要で…これはこれで結構面倒くさい(汗)
これをビジネスにする場合はSNS化するなりしてマイ書籍を作らせるとか…アフィリエイトのリンクを貼るくらいしかマネタイズ方法が今のところ思いつかないのですが、そういう採算度外視をしても作ってみたいサービスに発展する気がしています。自分の理想というか夢で(行ったこと無いのですが)司馬遼太郎記念館にある大書架みたいなものを自宅に作ることなのですが、それがWebで実現できるのならいくらか心が満足するのかもしれません。(逆にリアルな大書架が欲しくなってしまうのかもしれません)
(追伸2021/11/22)書籍を並べた背表紙を撮影した写真ないしはそれに準じたイメージデータは、著作権法に違反しないのか?という疑問を持たれる方もいると思いますが、私自身もその部分についてははっきり分かりません。当然、この記事は違法行為を推奨するものではありません。実際に実行を移すのは自由ですが、法に抵触するかどうかは弁護士などの専門家にご相談いただくよう、宜しくお願い致します。
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