『鋼の錬金術師』最終巻!27巻を読んだ感想…おじさん達の死闘だった。

徒然草2.0

ネタばれあり。ハガレン読み終わった。自分がおじさんだからかおじさん視点で見ていた。

ブリッグス兵の王大人(ワンターレン)みたいなやつの死に様にキュンとしてしまった。名前はバッカニアというらしい。死ぬ間際まで名前をよく知らなかった。まさかこの人”ちゃんと死ねるの?”というか、今までさんざんアームストロングのねえさんが我々のブリッグス兵は最強だ!と事あるごとに強調してはいるけど、読者から見ているとあまり残念ながら伝わってこない(苦笑)。ブリッグス兵はこの人とマイルズというイシュヴァール人がお偉いさんだが、どちらもあまり強そうではない。

ブリッグス筆頭の強面であるこの辮髪のおじさんは本当に強いの?どう見ても三下という疑惑があったが…生きていたブラッドレイに一撃のもとほぼ瀕死の状態にされて「ああ、やっぱりこの人ってこの程度かー」と思った刹那、フーというシンの国のこれまたおじさんというかじいさんが、命を捨てブラッドレイに特攻するも見破られる…だが、フーの背後に周りこんでブラッドレイの死角へ周り混んだバッカニアが、深い剣撃を喰らわせることに成功!

戦いなれしてやがるこのおっさん!すげえ!!そして、この一撃がブラッドレイに致命的なダメージを負わせた。ノリスの意地!(?)

バッカニア、フー、漫画の前編を通して準ボスキャラではあるがブラッドレイ…あとはエドとアルの父・ホーエンハイム。みーんな死んだのはおじさん達だけ(汗)。ブラッドレイはブラッドレイなりにホムンクルスながらも、妻を選んで人として生きてきた自分の人生ならぬホムンクルスの生き様を見せてくれた…。ホーエンハイムも父親としての矜持を見せてくれた。というわけで、

おじさんたちの死亡確認!

…とにかく最終章で「死にまくったのはおじさんだけ!」

おじさんは次世代に託すために死なねばならぬのか。

あーなんて悲しい話。

というわけで、鋼の錬金術師は最初はなんだか話にのれなかったけど、だんだん面白くなってきてキャラクタたちが生き生きとしていていて面白かったです。国家の陰謀とかホムンクルスとかはハリウッドのSF映画っぽいという意味では古くないので、もう少し世の中に出てもいいのに?と勝手に思いました。

ただ、ホムンクルスが何かわからないけどこの話って神がさらに上にいるみたいな世界観なのよね?神なき時代に神を出すのはありなのか?

最期にホムンクルスと神との対話↓

ホムンクルス「なぜだ…なぜ私のものにならぬ神よ!!」

神?「おまえがおのれを信じぬからだ「神」とやらを自分のものに?笑わせるな。盗んだ高級品を身につけて自分が偉くなったつもりか?小賢しい盗っ人め。おまえのような奴は不相応にフラスコの中で満足しておればよかったのだ。他人の力を利用し「神とやら」にしがみついていただけでお前自信が成長しておらん。」

ホムンクルス「私は…完全な存在になりたかった!神を完全に理解したかった!この世の全てを知りたかった!なのになぜおまえは邪魔をする。お前は何者だ!!」

神?「私はおまえ達が”世界”と呼ぶ存在。あるいは”宇宙”。あるいは”神”。あるいは”真理”。あるいは”全”。あるいは”ー”。そして私は”おまえ”だ。「思い上がらぬよう正しい絶望を与えるのが真理という存在」ーーとおまえは言ったな。だからおまえの言う通りお前にも絶望を与えるのだよ。」

ホムンクルス「……やめろ…戻りたくない…嫌だ…そこに縛られ続けるのはいやだ…」真理の扉に閉じ込められるホムンクルス

神?「思い上がった者に絶望を…おまえが望んだ結末だ」

…うーん。

あとは、自分のなかに真理があるとエドが悟り、それでアルの肉体と魂が返ってくるというのもなんだか出来すぎた話で、結局は人間が神とか真理とか全とか一とか言われているものの存在のうちに、わたしたち人がいるって話ではある。普遍的な話だとも言えるが古典的な終わり方である。

例えば、インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008年)と同じ結末で、真理にふれた敵が勝手に自滅しているので、2010年前後の創作物はこんなかんじのストーリーの締めくくり方が多かった気がする。

人は自分よりも強大な力を手に入れようとしてはいけない、そんなことより人間の讃歌を謳歌しようじゃないか!みたいなのは、ちょっと話としてずるいかなと思う次第なのであった。でもハガレンの場合は人間のグリード(強欲)は肯定されるんでしょう?これって何か教訓を得たようで何も得ていない感じがしません?。という意味では、このころの創作ってなにか気持ち悪さが残る気がしてならない。

徒然草2.0
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コメント

  1. モチシラタマ より:

    こんばんは。
    以前の記事で「自分より青い人と話したい」と仰っていらっしゃたと思うので、
    前野ウルド浩太郎先生の著書『バッタを倒しにアフリカへ』は如何でしょうか?
    青いかはさておき、自分より緑色なのは確かです。
    とっても面白かったので、よかったら是非感想お聞かせください。

    • gomiryo より:

      コメントありがとうございます。緑でも紫でも大歓迎です。さっそく読んでみます。

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