ネタばれアリ。自分の動機で読み始めたわけじゃないが、現代にも大人にも耐えうる読み応えある作品だと思う。謎がどんどん解き明かされていく系。現代の国家的な陰謀や人間の暖かさみたいなのがぎゅっと詰まった感じで内容が古くならない。
ホムンクルスと一言に言っても多種多様で心がある者もいれば、人間と融合して人間らしさを手に入れるものもいる。ホムンクルスの存在を認めないなら、弟のアルは何なんだ?という話になるし、最後わかるとは思うけど、。命ってそもそも何なんだ?という問いにもなっている。
現代の人類はAIとどうか変わるべきか問わないといけないが、どこまで融合するかしないのか選択しなければならない。ホムンクルスは人間の命を代償に作られるが、そんな対立構造がなくてもAIは深刻な選択を人類に突きつけるのではないか。エドも体の一部がオートメイル(機械)でどこからどこまでが人間と言われれば怪しい。ホムンクルス界で一番魅力的なのグリード(貪欲)さんですね。
「死んだ奴に会いたい」も「金が欲しい」も「女が欲しい」も「世界を守りたい」も全部”欲する心…すなわち”願い”だ。どれも本心から湧き上がる感情に変わり無いからな。俺に言わせりゃ欲に貴賤は無え。「欲」っっーもんにえらそーに格付けするから人間ってのはややこしーんだよ。By グリード
ああ、これって人間の欲に関する真理だね。
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