『ニ郎』(創作)

徒然草2.0

こんにちは。

私のどうでもいい話を聞いてください。

私の名は二郎(仮名)といいます。

父が、二郎と名付けました。

私には兄がいたのですが、生まれて数日して亡くなってしまったらしいのです。

その兄は”一郎”と言う名前だった。

だから、 二番目の男子ということで私が二郎になったようです。

兄が昔いたことを忘れないように、 私の名前をニとして一郎がいたことを暗に残したのだと、とても嬉しそうにまた時折少し悲しい顔をして、父は語っていたのを時々思い出します。

だから私も父と同じく二郎という名前が気に入っていました。

そして私には息子が1人いるのですが、私は三郎と名付けました。

長男なのに三郎というのはおかしい気はしましたが、父の思いを引き継いで 二郎の次の子どもということで三郎にしたのです。

そんな父ですが、先日に癌で亡くなりました… 母と遺産の話をしていたところで、父の遺書がでてきました。 そこで私は驚愕の事実を知ることになります。

父には愛人がいたらしいのです。

そして、愛人の子が実はいるようなのです。

愛人がいるというのは母には気の毒なのですが、問題はその子どもです。

子どもの名前が二郎というのです。

なんでも父の愛人が「もし二番目の子どもが生まれたら、二郎にしよう」と生前に聞いていたそうです。

だから、二郎と名付けて戸籍を登録してしまって今に至るらしい。

私は二郎。そして腹違いの二郎という兄がいる。

…まだ、ここまでは分かるのだが、父の遺書の最後にはこうあった。

「お前の名前を三郎に変更して欲しい -父-」

三郎は9歳になる私の息子である。

…それじゃあ、今さら息子の名前を四郎に変更しろというのか?

まじで、ふざけるなという気持ちなりました。

番号を振り直すためには、すべての子どもの名前を付け替えなければなりません。

※番号を連番に振ったのに後から間に追加になったら、それ以降の番号は振り直さなければいけないという後味の悪さが分かるでしょうか?※

-完-

徒然草2.0
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