ティール組織という胡散臭い本を読んでみた感想

ティール組織に、ほんのちょっとお邪魔させてもらったことがある。1ヶ月ほど仕事をした。その感想としては、なんだか良さそうだという一方で、なんだか自分にはとても無理そうだ、という二律背反の見解に至った。

それだけでは読者にわからないから、ティール組織について深く紐解いてみたい。だいたい、私は集団生活が得意な人間ではないと自分で思っている。そのため、組織が苦手なコミュ障なので組織という堅苦しいものを論じる資格もない。組織はかくあるべきと語るまでに至っていない。むしろ組織的な活動を極力なくして言ったほうがよいのでは?と思っているが、ティール組織は自然的である。つまりは自然淘汰的な作用が働くということでもあるということが分かってきて「悪くない」と思っている。つまり旧来の組織的な考え方を持っているとティール組織が何なのかわからない。

ティール組織に長居しなかったのは、給料面が見合わなかった。給与面で折り合えば、それなりに自分が役割とする仕事はあったように思う。だからその点さえクリアになればティール組織なるものに長居したかった。それゆえ、ティール組織的な発想は万人にとってありだと思っている。その組織の文化についていけないだけで、ティール組織がダメだというわけではない。

ただ、その組織がティール組織とよべる水準に至っていたのかも私には良くわからない。おそらくティール組織なんだと思う。世の中にはティール組織っぽい組織があるが、実は入ってみないと分からない。だいたいティール風でティールじゃない組織も世の中にはたくさんある。極めてここが厄介なところだ。

ティールに至る過程のレッド、オレンジ、グリーンの会社を明らかに標榜している会社もある。そういう会社は自社がオレンジだったりグリーンな会社であるという自覚をきちんと持ったほうが良いと思う。カテゴリライズされたうちのどの組織であるかという明確な立ち位置を自覚していない会社は危うい。会社としても危ういし、従業員としても自覚ない組織に属するのは危うい。

もっと会社は自社の特徴をさらけ出すと同時に自社分析をしたほうがよい。

求人を見るとよい雰囲気の会社はあるが、レッド組織なのかグリーン組織なのかオレンジ組織なのか、それともティール組織なのかは、わからない部分がある。これは、入ってみるしかない。

特にティール組織っぽい組織は宗教チックであるという感じがしてしまい、自ら遠ざかっている自分がいた。でも、それはちょっともったいない。色んな組織を横断できる力量と言うか度量があるなら飛び込んで見る価値はある。

『ティール組織』は誤解される本だと思う。まずはネットだけの記事に終始せずにティール組織の本を読んで欲しい。そしてティール組織に触れて欲しい。そうしてはじめて分かる。そうやってはじめてティール組織が体得できる。自分の期待を満たしてくれるのかという猜疑心と誤解を解いてくれる『ティール組織』を読んでみて大正解だった。

何でもかんでも胡散臭いって言うのはよくないってことがわかった。

(この記事の表題は、胡散臭いティール組織にしてしまいましたが^^;)

そもそも、ティール組織とは何なのだろう。何かの今年読むべき本ランキングの10位内に入っていたし、電車の扉に広告もあったほどだ。5万部だか10万部売れているらしい。こんな分厚い本なのに、本が売れない時代なのにもかかわらず、それなりの部数が売れている。すごい本だ。

私も一応は会社をやっているし、組織を作るのは昔から嫌いじゃない。(数人の集まりになりがちだけど)。やはり水のようにサラサラした自然な組織をつくりたいと思っている。

私の心情に去る者追わず来るもの拒まずという銘がある。ティール組織がそういう精神で運営されていることも分かった。宗教のすべてがそうではないが、権威づけして信者を最終的に縛り付ける団体が今日は多い。本来は宗教もティール型で運営すべきなんだという結論に至った。

ティール組織的なものは以前からずーっと理想としてかかげて考えてきた気がする。だからこの記事では、ティール組織については、好意的にかつ批判的に、そして主観的に考えてみたい。

ティール組織の要約

全体性(ホールネス)、自主経営(セルフマネジメント)、進化目的を持つ、この3つが分かればティール組織がなんなのかわかる。日本語で簡単に言うなら、ちゃんと目標を持って全体のバランスをとりながら自主的に会社経営をする。難しく考えるからわからなくなるが、人間の持っている理想状態をイメージしてもらえればわかる。(理想的な人間関係なんかないと言う人がいれば、それまでだが)

ティール組織の胡散臭さ

この本は色々と臭い。いい意味でも悪い意味でも。とにかく本全体が自己啓発臭い。気分を高揚して読んで欲しいのだろう。いたるところに賢人たちの名言が散りばめられている。ほんの端っこに本の内容の根拠を強めるような言葉の援護射撃を浴びせられる。まあ、この手の手法を取る本はいっぱいあるが、趣旨からは萎えれてエモーショナルに読むことを強要させられるのは如何ともし難い。自己啓発的な言動に心地よさを覚えるならば、あなたはティール組織の虜になるだろう。逆に胡散臭いものだという先入観から、この本を手にとっている私からすると、その胡散臭さは増大する気がしてならない。

進化という言葉の胡散臭さ

進化という言葉は退化の対義語である。しかし、歴史を鑑みても進化が人を野蛮にさせている側面も否めないだろう。進化とは常によいものだという証明は、長い年月を経てみないと分からなかったりする。そういう意味でティール組織が語る「マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現」の進化には危うい思いが本を読む前はあった。

なんでもプログレッシブなものが素晴らしいという前に猜疑心に近い目で見回す必要がある。

ただ、第二章の初めにも、きちんと著作者はブレーキをかけている。引用してみよう。

もう一つ先のティール組織について考察する前に1度立ち止まってみたい。人間の進化プロセスの理解を深め、誤解を避けるためにある程度詳しく説明しておくのも有益かもしれない。「ヒトは段階的に進化する」という考え方に初めて接するとその魅力に惹かれてしまい、現実を単純化しすぎて何もかも進化モデルに当てはめようとする人々が現れることがある。一方で、全く逆の反応を示す人々もいる。モデルは人にレッテルを貼り、さまざまな箱に分類されるために使われるかもしれないと感じて不愉快になるのだ。

…とまあ、こんな具合に第一章で進化論的な組織の変容を語った後に、事例をだしながらも前置いた上で、微細に慎重に分析していくところがある。そういう意味で極めて冷静でまっとうさも大切にしている本である。(まあ、そうじゃないと人を納得できないだろうけど)

この本に至ってはネットの要約だけで分かりにくいので必ず本を読むこと

『ティール組織』はまっとうな思想書だとは思う。だから順を追って筋道を立てて読まないと頭の中に入ってこない。ネットの要約で分かった気になるよりも、きちんと原著にあったほうがいいということだけは言える。

例えばセルフマネジメントという言葉を私はすごい誤解していた。(ネットの要約すら読んでいなかったからだが…)一般的な言葉だとセルフ・マネジメント=自己管理だが、『ティール組織』ではセルフ・マネジメント=自主経営という意味でつかわれている。

言葉の通り、主体的に自分が経営に携わるという意味である。時間に遅れて「セルフ・マネジメントできずすみません」とか言っていたけど、言葉を失うほどに変なことを言っていますし…誰か教えてくれてもよかったんじゃないか。

ティール組織の解雇と報酬について

私はティール組織について、その概要についてネットで要約を読んで、なんとなく理解していたつもりだった。だがティール組織において解雇はどのように考えられるのだろうか?ティール組織は自動的に適材適所に割り振られるそうだが、それでもパフォーマンスが出ない人は辞めさせなければならないだろう。今いるポジションにしがみつくような人がいたら、話し合いの場が持たれて、その結果、ティール組織を去る人も出てくる。

それはどのように決定されるのかというと、ティール組織の解雇者は自主的に「合わない」ことを感じて、自ら辞めていくそうである。去るものは自然に去るということらしい。まあ、考えてみれば当たり前かもしれない。自発的に参加した人が「あれ、なんか違うな?」と思ったら、自分から離れていくだろう。ティール組織は良い意味で自然淘汰の仕組みが備わっているようだ。これは悪くない。いい意味で至極淡白な未来型の人間関係が築けるのかもしれない。

ちなみに報酬も自分で決めて良い。ただし参加者の全員が納得しなきゃいけないので、いっしゅの合議制だと言えるだろう。

ティール組織は一種の一神教

ティール組織が増えてくれば、組織はラベルでしかない。

ある統一的な目標に向かって突き進む有機体である組織と、その構成員である「私」の関係である。今後はこの「私」を看板に働く必要があるわけだが、ティール組織においてもそれはなんら変わらない。この本は読む人によって思うところが代わるだろう。ティール組織という本は自分なりによいインスピレーションを受ける泉というかバイブルのようなものだ。

胡散臭いものにするかどうかはその人の心の問題に過ぎない(それは、あらゆる本においても同じことが言えるのかもしれない。)少なくとも私はレッド、アンバー、オレンジ、グリーンな組織にはもう極力属したくないという確信を得ることが出来た。

統一的な理念に沿って動く集合体に身を委ねれば、我々人類はもっと素晴らしい理想の地にたどり着くはずだ。それがあらゆる宗教の理念だったはず。

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