読書|『家が買えない』(牧野知弘)…というか家にコストをかけたくない。

徒然草2.0

Youtubeでよく見かける、牧野知弘という人の本『家が買えない』を読んだ。何でこんな本を手に入れたのか覚えていないのだが、牧野知弘だったからか…。

この人は「日本は空き家だらけになる」「タワマンバブルはいずれ崩壊する」「そのうち家は安く買えるようになる」と誰よりも言っていると思うのだが、現状はむしろ『家が買えない』時代なわけだ。

都内のマンションは投資用物件に引きづられて高すぎという話ではあるのだが…タイトルと中身と著者の主張が、少し矛盾しているように感じた。どっちが本音?。この人は湘南のほうの戸建てに住んでいるらしく、マンションに対して冷ややかな見方をしている気がする。

なお、本自体は目新しい情報は少なかったが、二つほど「なるほど」と思った点があった。

1.田園調布などの高級住宅地は意外と売りにくい
町内会や近所づきあいが世代を超えて固定化されており、新しい住人が入りにくい。ブランドは保たれてはいくのだろうが、相続で苦しむ人が多いという。

2.マンションの合意形成は築年数が経つほど難しくなる
新築時は似たような年齢層や世帯が多いためまとまりやすいが、時間が経つと経済状況や家族構成の違いで連帯感は薄まっていく。もちろん例外はあるが、マンション運営は一軒家以上に人間関係に左右される可能性がある。こうした事例を集めてみると面白いかもしれない。

たぶん「マイホームは子どもに受け継がれるもの」という幻想は捨てたほうがいいと思う。

子どもが一生そこに住み続けたいと思うケースは少ない。地元にいたいという思いや仕事の都合で近くに残りたい人はいるが、「家そのもの」に縛られる理由は薄いと思う。だからこそ、資産価値や手放しやすさを考えておく必要がある。

以上が本の感想だが――やはり都内の家は高い。

狭小住宅でも「ここなら立地的に」と思える物件は7000万円から。これは妥協しての金額で、妥協しなければ1億を超え、質を少し上げれば1億5000万円を超えてくる。ちょっと成功した人の家がいいなと思えば、サラリーマンの生涯賃金を軽く超える。

投資用マンションは値崩れしても、好立地の不動産は大きな社会変動や遷都でも起きない限り下がらないだろう。だから牧野氏の予想は外れるのではないか。むしろ「都心は上がり続け、郊外や僻地は横ばい、過疎地はますます負動産化する」という順当な流れになる気がする。

そう考えると、「終の棲家」として買うなら結局は“いつ買っても同じ”という結論になる。個人的には家に対して無駄にコストはかけたくない派。家がキャッシュで一括でポンと買えるような時代がくることを待ち望んでいるが、まず数十年は無理だろうなぁ…。

徒然草2.0
スポンサーリンク
シェアする
gomiryoをフォローする
ごみぶろぐ

コメント

タイトルとURLをコピーしました