社長は従業員のサンドバッキング行為をうまく取っ払うこと!

サンドバッキングとはダーツの用語だがビジネス用語でもある。

とある会社で社長が従業員たちに言った「目標は自分たちで決めてくれたまえ」。

従業員たちは各々が自分たちが達成できそうな目標を書いて社長へ提出した。

その中には今の自分では目標達成が厳しいかもしれないが、標準より高い目標をたてていないと低い評価をされるかもしれないと恐れて、ちょっと無理めな目標を書いた者もいた。

そうして集められた今月の目標を社長室で見ていた社長は「もう少し高い目標を掲げてくれないと経営的に芳しくないなあ」と思いながらも、従業員が自分で決めた目標を自分で達成する自発的な社風にすることが、従業員の満足度をあげて一番成果を上げる、もっとも効率のいい方法だと信じていた。すべての今月の目標を承認することにした。

その社長は楽観的な理想家だったようだ。

従業員にムチを打ち「嫌なやつだ」と後ろ指を指されるのも嫌だった。

悪く言えば良い人でいたかったのだろう。

1ヶ月が経つと、8割の従業員がその目標を達成した。

2ヶ月目も3ヶ月目もだいたい同じような割合だった。

常に目標を達成する人もいれば、3ヶ月連続で目標を達成しない者もあった。

社長はその従業員を問い詰めることになった。

「なぜ自分で決めた目標を達成することができないのか?自分で決めた目標も達成できないなんてやる気がない証拠じゃないか!達成できない目標ならはじめからたてなければいいじゃないか!!」極めて当たり前なことを言っているだけ、という確信を持っていた社長は心の底から怒っていた。

温厚な私を怒らす従業員は、どうしょうもないやつだと思いこんでいた。目標が達成できない従業員は、自分には営業が向いていないのだろうかと腑に落ちない気持ちを隠しつつ、会社を去っていった。

目標達成できた社員たちは自分に辛くない目標をかかげて、それを達成すればよいので大変楽な会社だと思って仕事していた。目標が達成できない同僚を横目で見ながら、「こいつらは仕事のやり方がまずい」と感じていながらも、目標が達成できず去っていくのを哀れな目もしくは蔑んだ目で見ていたのだった。

結局、この会社は一時期に業績を伸ばしたが、やがて伸び悩んでしばらくして倒産した。

一体、何がいけなかったのだろうか。

自発的に仕事をやらせたこと?

チーム制にせず能力がない人を引き上げなかったこと?

社長に理念も目標もなかったから?

たぶん、そのへんにもいくらか問題があるのだが、一番の問題は私が思うに、「能力があるものがMAXの力で仕事をして成長していく」環境じゃなかったからだと思う。

先に言ったサンドバッキングとは、自分の能力を低めに見積もって、それを満たす行為である。

できる社員は、自分で達成可能な目標を達成するだけで、伸びしろがある者が自らの可能性を狭めることを是正しないから大変なことになったのだ。できない人はできない人でほおっておき、利益を出す人を伸ばして成長させていけば、会社はどうにかなるものではないだろうか。

徒然草2.0
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