ネタバレあり。
別につまらなくはないが、作者が後書きで書いてあるとおり、だらだらとした戦時中の日常を描いた作品。いずれにしてもそれが作者の目的だったとしても、不幸なことが美しく描かれすぎている。
当時の想い出の寄せ集め集て感じ。これといって特筆するところもなく大きな違和感もなく淡々と読めた。広島の海苔を作っている家から呉に嫁いだすずの日常。それ以上でもそれ以外でもない。とりあえず呉の家でうまくやっていけているようでよかったね。義理姉とすずさんが仲良くなれているのはよかったわ。すずさんは「よかったね」と言われて本当によかったのか分からないというようなことを言っていたが、第三者はよかったねと言うしかない。感想がそれしか無い。戦中のおばあちゃんの話がリアルに聞けた気分になれる。AmazonPrimeに「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」があって、これを見ても良かったのだけど、漫画の方が手っ取り早い気がして漫画のほうが良かった。2016年版と2019年版があるらしい。両方を見る意味は無い気がする。
鋼の錬金術師の作者が戦時中の人の話で一番印象に残っているのは「戦争の映画なんかまったくみねえ」って言っていることだったみたいなこと書いてたな。広島の語り部さんに話を聞いたので覚えているのは「横にいた同僚に原爆でガラスがびっしりささっていた」っていうのと、それをいい出したおばあちゃんが目頭を抑えて数分黙っているのをずーっと待っていたのが印象深かったわ。人の感情って活字じゃ伝わらないというのが正直なところです。作品を参照することによる疑似体験はあくまで疑似体験にすぎない。
そういえば、鬼いちゃんはなぜ人買いになったのだろう?アメリカ兵の配ってた雑煮になんでラッキーストライクはいっていた? → 九段下の昭和館にそういう再現品があるそうです。なんか寄せ集め感が半端ない。(汗)戦後70年ますます戦時中の想いは風化するのでしょう。戦後二世が鬼籍に入りはじめる。(その方がいいという意見もある)
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