映画。ヘレディタリー/継承…ホラーの傑作!で映画に引き込まれた。

徒然草2.0

ネタバレあり。

ミッドサマーの監督アリ・アスターのデビュー作というかミッドサマーの1つ前の初の長編作品ということと人の勧めもあって観てみた。アマゾンレビューや他の評価サイトではそこまで評価は高くない☆3.7だが…個人的には「傑作」って言葉が相応しいと思う。変に重すぎないけど、見る人によってはトラウマになる系。ミッドサマーはマリファナを吸ったような(吸ったことないけど)幻惑感に浸る感じだったが、純粋なホラーだった。「リアリティ」がすごい。

降霊術ネタなんてエクソシストしかりどこかバカバカしい映画になりがちだ。いやエクソシストはすごい映画だけどさ。ホラー映画として特に新しさを感じる要素はないのだけれど、最後まで魅入ってしまう。どっかで観たことがあるホラー映画なのに、記憶に残る映画ってすごい。いや、しばらくしたら内容は忘れると思うけど「ヘレディタリー」って映画はすごかったな!という感触は残る気がする。今回は音声で観たが次にもし見る機会があったら「字幕」でみたいかな。そのほうがもっと映画にのまれる気がする。俳優の名演技にもゾッとする。

最終的には悪魔ペイモンの降霊がオチになるが、「家族というもののグロテスク」さや「子どもの死」を描いている。個人的には悪魔は演出のための設定で、そこがこの映画の怖いところではない。むしろ悪魔のせいにしたことで、最後まで見たあとは少し気分が軽くなる。しかしながら、この映画に登場する他責思考の家族は考えてみればその家族の嫌らしさや弱さは「私自身」でもあるわけで「私自身」なんていうものは、簡単に悪魔に絡め取られる存在であると自覚させられることが、この映画によってもたらされる非日常的な恐怖そのものではないか。つまり、悪魔カルト教団の継承の話だというふうに客観的に捉えるのではなく、自己の内面を見つめるように主観的に見るべきではないか?と個人的には思った。

…というわけで、降霊や悪魔なんてバカバカしいと日頃おもっている私達でも、主人公の母親の目線ですーっと映画の世界に入っていってしまうことに何の違和感も感じられない、ミッドサマーにしてもそのへんの違和感を感じなく「映画に吸い込まれていく感じ」になるのがこの映画の「凄いところ」で傑作たる所以なんじゃないか?と解釈しているが、そのへんは見ている人によって意見は分かれるかもしれない。とりあえず、基本的に見ていて気分が重くなるので、人にはおすすめできないが…ミッドサマーよりもわざとらしくないつくり。シンプルに傑作。

…話に関連性はないからどうでもいいけど、アリ・アスターの映画という観点からは、ヘレディタリー→ミッドサマーの順番で観たほうが「今回はそうきたかー!」みたいに見ることが出来ていいかもしれない。

徒然草2.0
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